AIはびわのお仕事をマスターできるか?

びわってこんな風に育ててるんだ
01 /27 2018
 2018房州びわのご注文受付スタート! 福原農園のHPはこちらから


こんにちは。就農一年目の福原です。今は、食用菜花の最盛期。明るいグリーンに春の兆しを感じます。

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よくスーパーでは蕾の状態で売っていますが、地元民は花が咲き始まってようが茎が太くなろうが気にせず、ほろ苦さと食感を楽しんでおります。辛子和えやガーリック炒めがおススメです。

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(※今年の菜花パックのご注文は締め切らせていただきました。また来冬のご注文をお待ちしております)


さて、福原農園では、ハウス内のびわの袋かけを開始しました。

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びわの実に袋をかけると、害虫や傷から守ってあげられるので、美しい実になります。しかも、袋をかける実を厳選し、それ以外の実をあえて落とすことで、木の栄養が集中的に袋の中の実に届けられ、大きな実にすることができます。

言わば、袋かけはびわに対するケアの中で最も重要な作業です。

露地(山に植わっている)のびわは、通常、毎年3月から5月初旬頃まで袋かけを行いますが、今の時期は下の写真の通りだいぶ未熟な感じ。これがホントに実になるんだか、ただ花が枯れた後のカスが付いてるんだか、よく分からないですよね。。。

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それと比べると、ハウスのびわは一日中一定の室温が保たれている分、成長が早いです。現時点ですでに、オレンジ色に熟すびわが想像できるくらいの形になっています。

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このところ、50年ぶりと言われる寒波の影響で、南房総でも雪が降ったくらい冷え込む毎日なのですが

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(南国のシンボル?ソテツにも積雪が)

ありがたいことに、ハウスの中はとても暖かいです。幸せ

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ここで出血大サービス(←懐かしの死語)。「袋かけって一体なんだ? 」という方のために、びわの袋かけの詳細をリポートしちゃいます。

まず、びわの実にかける袋は、こんなサイズです。

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片方の袋の耳が長く伸びていて、この部分だけ袋を固定する用の細い針金が入っています。

早速ですが、企業秘密の?袋かけの手順

①一本の軸に連なっている実の中で、一番大きくてきれいな実を選ぶ

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(うーん、右から2番目が一番大きそうかな?)


②選んだ実以外を折って落とす

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(一つの実だけ残した後の図)

③利き手と反対側の手で胸ポケットから袋を1枚取り出す

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(保育士さんみたいなエプロンのポケットに、大量の袋を入れてある)


④指をこすらせて、袋の口をパカッと開ける

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(スーパーのレジ袋を開ける要領で。。。)


⑤開いた袋をすかさず残した実にかぶせる

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⑥両手で袋の口をくしゅくしゅっと寄せて折りたたむ

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(アコーディオンみたいなイメージ)


⑦袋の耳部分を、ゆるまないようぐるっと一周させる

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(前を通って。。。)

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(後ろも通って。。。)


⑧針金をぎゅっと押さえたら、出来上がり

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どうですか? これだけ? えぇ、これだけです。あとは、一日中ひたすらこれの繰り返し。「けっこう簡単じゃん 」と思われましたかね。私も楽勝と思っていたのですが、これがやってみるとなかなか上手くいかないんですよ。。。

例えば、くしゅくしゅっとするところが雑だと、針金を巻いた時に袋の口がはみ出てしまうんです。これでは、害虫が袋の中に侵入する余地を残してしまったことになります。

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(よく見ると、ちゃんと縛れてない)

また、無理な力を実に加えてしまうと、実の軸が折れてしまうこともあります。残念ながら、折れてしまったものは元には戻らないので、これまでの苦労が消えてしまう形となります。

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(ごめんなさい。謝るしかない瞬間)

さらに、袋をかぶせる時に不用意に手が実に触れてしまうと、表面の細かなうぶ毛がはげてしまい、商品価値が半減してしまうというリスクもあります。

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(テカテカになってしまった)

もっともったいないのは、残す実を選ぶ際に、虫が食っていたり、傷がついていたりするものを見逃して袋をかけてしまうことです。旬の時期に袋から出してみてびっくり。商品にならず、もったいないことになります。

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(まぁ、よくお食べになって。。。)

それから、もうひとつ。私が昨年やらかしてしまったミスなのですが。びわの実が、袋の端っこに入ってしまうと実が大きくなる際に負荷がかかって、袋が破裂してしまうことがあるのです。

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破裂して飛び出たところを、カラスにでもつつかれたら大変。よって、びわの実が袋に入った時の居心地を考慮してやる必要があるんです。

袋の形が下の写真のようにいびつ過ぎるのも、びわが袋を踏ん張って中から押すことになるのでダメ。

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そんなこんなで、袋かけは注意を払うポイントが意外に多く、瞬時の判断や手先の微調整の積み重ねがあって、ようやくひとつの実に袋がかけられるわけです。

上記の①~⑧の工程を、ベテランスびわ農家なら数秒で完了します。新米びわ農家の私は、失敗しちゃいかんともたもたやっており、時にはやり直したりしているので時間がかかるくせに、正確性も高くないという。。。まだまだ修行が必要だと感じています。

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ところで昨今、IT農業やスマート農業に注目が集まっており、先進技術を積極的に取り入れた栽培管理システムを導入することで生産コストの削減や人的負担の軽減が期待できる!そうなのですが。。。

さらに、草刈りや収穫をしてくれる農作業ロボットもすでに開発済みだし、匠の技(コツや勘)のようなものもデータ化できる時代になりつつあると聞きますが。。。

びわの袋かけのような繊細な手先の技術は、やっぱり修行を積んだ人間にしかできないんでないの? いや、できるはずがない!! いくら学習能力や判断力を持つAI(人工知能)の活用が進んだとしても、です。

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(ものすごーく袋がかけづらい位置にある実にだって、達人はあっという間にかける)

ちょっと前に、「今の日本の労働者の半分が、15年後には機械に仕事を奪われる 」という試算が発表されてニュースで話題になりました(農業従事者についてはっきり触れられていなかったのは、農業の中身には幅があるからかな?)。

仮に、農家のお仕事がAIやロボットによってもっと省力化されたら、人手不足や高齢化で悩む農業界に光がさすでしょうし、ビジネスとしての農業に携わりたいという若者は逆に増えるかもしれません。間違いなく良いことだと思うのですが

ロボットスーツ
(重いもの持っても疲れない、ロボットスーツはもう世に出ている)

いや、だけどさ、山の斜面で、あるいは木の上で、ここまで細かい手作業がコンピューターで自動制御できるようになるはずないでしょ 」と私がこだわりたくなってしまうのは、今まさに習得しようとしているびわの匠の技?がいずれ人間じゃなくてもできるようになるなんて考えたくないのかも。

これからの果樹栽培がどんな進化を遂げるのか分かりませんけど、そもそも、AIに乗っ取られたくないとか言うのは、一人前になってからにせーよという感じですよね。。。そんなわけで、引き続き袋かけ頑張ります。

ちなみに、読売新聞の記事によると、AI(人工知能)が幅広く実用化されても生き残っていくのは、クリエイティビティ、経営管理、おもてなし(ホスピタリティ)の3要素に関連が深い職種だそう。皆さんのお仕事はいかがでしょうか?

それではまた。

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新年初仕事と2018びわご注文受付開始のお知らせ

びわってこんな風に育ててるんだ
01 /08 2018
 2018房州びわのご注文受付スタート! 福原農園のHPはこちらから


こんにちは。就農一年目の福原です。ビニールハウスで育てているびわの実がだいぶ膨らんでいました。

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昨年11月頃に花もぎ作業によって厳選したつぼみが花を咲かせ、それが小さな実になり、これからさらにひとつひとつ袋をかけたのちに、あのオレンジ色の大きな果実に成長するのです。

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(小指の先よりすでに大きい)

連日、最低気温はマイナス。霜柱が立つような日が続いていますが、ハウスのびわは煖房を炊いている分、ポカポカした気候の中で過ごすことができます。

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(煖房機は、設定温度以下になると自動で稼働)

ハウスびわは、5月半ば頃に収穫予定です。びわ農家になってまだ一年たっていない私ですが、びわの成長サイクルを見守ることは「へぇ、あの時作業したびわの木がこの季節、こうなるんだぁ」 となかなか感慨深いです。もはや親心。

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(ハウスは雨が入らないので、水やりも忘れずに行う)


さてさて、びわ農家は真冬は割とのんびりしているのですが、福原農園では意外にも元日からお仕事しておりました。

というのも、話せば長いのですが(なのでかなりはしょりますが。。。)、以前からハウス内の地面がところどころ陥没

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(たまに落ちる)

これは、福原農園のハウスを建設した土地が以前は田んぼであり、田んぼの水はけを良くするために地下に作られていた排水路(暗渠排水=あんきょはいすい、と言います)が今頃になって劣化したためと考えられます。なんてこったい。

暗渠は、南房総に多いような粘土質が強い農地では、特に重要。暗渠がないと、大雨の後は水浸しになってしまいます。それでは、植物もしっかり根を張れません。

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暗渠は、地下1メートル弱くらいの深さで、周囲の土から水がしみ出しやすいように、もみ殻や貝殻、竹や砂利など小さな空気の隙間を保持するようなものを敷き詰めて作ってあるのですが

暗渠への貝殻埋め込み

(ハウス建設前に溝を掘って貝殻を埋めた)

それが年数を重ねると腐り、ぺしゃんこに。。。土の中に空洞ができて、時々そこが沈んでしまうってわけです。

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そこで、知り合いの浜焼き屋さんに頼んで、貝殻を大量に譲ってもらうことにしました。

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浜焼き屋さんのオーナーの話では、お正月でも一日1000人ほどのお客さんが、エビやホタテ、ハマグリなどの海鮮を求めて来るそうです。凄い人気ですね!

お客さんが食べ終わった後の貝殻入りの生ごみを、業者が回収しに来る前にget

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沈没している穴に投入していきます。

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(私の体重で粉々に)

土をかけたら、暗渠の応急処置が完了

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(エビのしっぽがはみ出てるけど、肥料になるだろう。。。)

ゴミが余ったので、ついでにこれから陥没しそうなところも掘り返して、貝殻を埋めておくことにしました。

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これで、しばらくは穴に足をとられることはなくなりました! 一安心。

貝殻を埋めて以来、ハウスの中に入ると、海の幸の香りが強烈にするようになってしまいましたがね。。。

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(ぷーんといい匂い?写真では伝わらないのが残念)

とにかく、農家には色んな仕事があるものです(しみじみ)。そうそう、新年初仕事と言えばもうひとつ。

福原農園では、年が明けたと同時に、2018年のびわの注文受付を開始しました。現時点で、お正月の予約数としては、例年よりも上回っています。

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年越ししてすぐに、「あ、びわの注文しとこ~」と思い出してくださった皆さま。早くからびわを楽しみにしてくださって、誠にありがとうございます。発送は5ヶ月以上先になりますが、責任を持ってお届けいたします!

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びわは、収穫を見込んだ量を注文数が超えたサイズのびわから、注文受付をストップしてしまいます。

福原農園のびわを食べると決めていらっしゃる方。あるいは、どなたかにびわを贈ろうと決めていらっしゃる方。お早めのご注文をお待ちしております(注文フォームはこちらのページから)。

ちょっと宣伝させてもらっちゃいましたが、言いたかったのは、今年もびわ農家のお仕事を楽しみながら頑張っていくということです。皆さまにとっても、良い年になるよう心からお祈りしております。まずは、風邪やインフルエンザに負けずに、体調管理にお気付けくださいませ。

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続・スズメバチ戦記

びわってこんな風に育ててるんだ
12 /09 2017
加工用びわの種のご注文受付中 福原農園のHPはこちらから


こんにちは。就農一年目の福原です。お義母さんが大量のサンマを丸干ししてくれました。

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こうすれば保存が効く上、干す前に塩水に漬けることでうまみ成分が凝縮! 干すと言っても半日程度で、それだと食べても乾燥した感じはなく、むしろ身はふっくらしてます。

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同じ日に、石焼き芋を作りました。その辺で拾った石ころを洗って鍋に詰めたら、ちょっと見栄えが悪くて売れ残っていたサツマイモを乗せ

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鍋の下から熱します。伐採した木を燃やした焚火を利用。

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約2時間後に蓋を開けてみると。。。え~と驚くぐらい、しっとりした食感。色も甘みも濃くなっている!

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田舎の人は、美味しい食べ方を色々知っているのでした。私が知らなかっただけかもしれませんが、簡単すぎて今まで知らなかったのがもったいない感じです。


さて、以前このブログで、作業小屋にスズメバチの巣ができて困っているという記事を書かせてもらいました(→こちら)。今回は、その後のお話。

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(直径45センチくらいに成長)

オレンジジュースinペットボトルのスズメバチトラップに、10匹程度は入ってくれましたが

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トラップの入り口の窓の角度やら、糖度や発酵の具合がよくなかったようで、捕獲力、低。。。

寒くなったらスズメバチの活動は収まって巣は空になる と聞き、夏場の駆除は諦め、巣のそばを通る時はなるべく刺激しないようにしておりました。

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さらに、彼らが敵意を抱くような行動をとらなければ、スズメバチたちも人間を攻撃してこない と分かってからは、それほど恐怖感もなく、いつの間にやら平気のへのへっちゃらで小屋に出入りしていたのでした。

11月半ば頃までは、巣から偵察隊が出てくるなど、巣にまだスズメバチが住んでいる様子がありましたが

12月に入って気温も下がり、巣が急に静かに。住人の気配もなくなりましたので、上司(である夫)がつついてみる。

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お留守のようです。思い切って木材で巣の付け根部分をドスドス壊していくと

いとも簡単に落ちました。撤去完了

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見よ。この美しいマーブル模様。樹皮など運んでくる材料の違いによって、このような柄ができるんですね。とても器用。

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働きバチは寒さと共に役割と寿命を終え、女王バチのみが別の場所で冬眠しつつ生き延びるとのこと。女王はしぶとい。

春先になって、居心地の良かった巣には女王バチが戻って、再びファミリーを作る ことがあるそうなので、破壊して正解だったと思います。

実は、巣を壊すまでに、スズメバチの被害は全然なかったかと言うと、そんなことはなくて、うちのお義父さんが、巣の近くで大きな音を出して機械を動かしてしまい、見事にロックオンされました。。。

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でも、「刺されちゃったんだよ~。みんな気を付けて~」と笑顔でしたけど。。。

アナフィラキシーショックのリスクには個人差があるようです。でも、命を落とすケースだってありますので、もしスズメバチの駆除を考えることがあったら、くれぐれも過信せず、プロに相談してくださいね。

そういうわけで、農家の人は色んな意味で逞しい と思った初冬なのでした。私も少しずつ農家の人に近づいているのかしら。それでは、寒さに負けず年の瀬を駆け抜けましょう。

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(紅葉しないのが少し残念な房総の山々)


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戦う新米農家。 びわに群がる生き物たち

びわってこんな風に育ててるんだ
11 /18 2017
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こんにちは。福原です。11月も半ばだと言うのに、アケビがなっていました。もう普通なら落ちている時期だと思うのですが。

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中の白い果肉を口に含むと、ほんのり優しい甘さ。田舎で遭難しても、なんやかんや食べる物には困らないだろうなぁとよく思います。

11月なのに?と思ったものがもうひとつ。

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薄紫色の西洋朝顔です。日本朝顔との違いは、葉っぱの裏側に毛が生えていないこと。朝顔って夏の花だと思い込んでいましたが、寒くなっても朝から夕方までずーっと咲いています。

紫つながりで、お次はノササゲ。日陰にひっそりとぶら下がっていますが、とても目を惹く発色。

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野に生育するササゲ豆 という意味ですが、残念ながらこれは食べられないそうです。田舎暮らしでは、身近な植物について興味をそそられる瞬間があり、毎日が自然学習です。


さて、福原農園のびわの花もぎ作業は、パートさんたちも加わって作業の勢いを増しています。私が就農する以前から、当農園に携わってくださっている方たちばかりですので、頼もしい存在です。

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(はしごに脚立、何でもござれのレギュラーメンバー)

ところで、びわの花がかなり咲き進んできた山には、作業中、ブォンブォンブォン。。。という重低音が響き渡っているんです。ちょうど、遠くから暴走族が近づいてくるようなイメージです(うそ、暴走族なんて知らない??)

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これは、びわの花の蜜を吸いに来ている、ハチやアブなど虫たちの羽音です。この時期に咲く花の種類は、春夏に比べると少ないため、びわの花に山中の虫たちが集まっているのかもしれません。

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この大きな音。最初は、大量の虫たちがそばを飛び交う羽音だと知って戦慄を覚えたものですが、今はだいぶ慣れました。

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(こちらは、スズメバチ)

だって、多くの作物は、彼ら虫たちや鳥たちが受粉してくれるおかげで、実りを迎えることができるわけですからね~。

びわは、花もぎ後であっても、一本の木に花が何百、何千と付いています。そのほとんど全ての花で受粉を完了させてくれるなんて、むしろ彼らの働きには感謝の念さえ持ってしまいます。

他にも、花もぎをしていると、様々な生き物に出くわします。ミノムシ

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ナメクジ

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テントウムシ

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そして、生命の神秘に驚愕したのが、葉っぱが落ちた枯れ枝の先にコオロギやバッタが串刺しになっている衝撃映像。これは、悪魔崇拝の儀式か何かでしょうか。。。

もずのはやにえ

地上数メートルの木の上ですので、虫が自分で登って息絶えたとは思えず、上司に聞いてみたところ、これはモズの早贄(はやにえ)と言うそうです。モズが、食料確保の目的で捕まえた獲物を木の枝に保存しているのです(諸説あります)。本能とはいえ、モズちゃん。。。可愛い顔してやりよる。

もず

一方、カメムシの一部の仲間は、びわの実を食べてしまうのですが

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(つぼみに近づく、ツヤアオカメムシ)

びわへの被害が深刻でない、あるいは解明されていないカメムシもいて

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(やたら派手な色使いのオオキンカメムシ。関東では滅多に見られない珍種らしい)

害虫とそうでない仲間を見極めなければならないのです!(ちなみに、上のミノムシは、幼虫になってびわの葉っぱを食べちゃうので害虫。テントウムシは、葉っぱを枯らすアブラムシを食べてくれるので益虫です)

ギョッとするようなグロテスクなジョロウグモは、一見害虫のような出で立ちですが、びわに悪さはしない良い子です。

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一方、モンクロシャチホコガの幼虫(威嚇する姿が鯱に似ているからこの名前)は、集団で葉っぱを食い荒らし、びわの生育状況に著しい悪影響を与えてしまいます。見つけたら即駆除しないといけません。

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(これが、ホントの暴走族??)

でもね、これが都会育ちのお嬢様(自分で言うなよ〜)である私には、なかなかの試練。読者の皆さま、できます?? ただ害虫を地面に落として足で踏んで潰せばいいって言ったって、ねぇ?(ここは写真自粛)

気持ち悪いからやりたくない、という訳じゃないですよ。今まさに大事な作物に手を出している現行犯なら

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(小松菜をバリバリ食べ進んでいる黒毛虫)

くぉらー!!私の子に何してくれてんねん!! 天誅!! 。。。となるのですが

ただじっとしてるだけのを発見すると、うーん、この子は何もしてないように見えるけどなぁ。もしかして、ちょっと葉っぱで休んでるだけかもしれないし。。。なーんて。

びわの害虫(リンゴドクガ)

(あるいは、びわの枝で懸垂しているだけとか。。。)

その害虫が、必ずしも未来にびわを食害するという証拠がないじゃないですか。それでも、手を下せって言うのですかい? こんな小さな虫を?? いわゆる罪悪感。

でも、上司(である夫)は、今殺さないと、成虫になって卵をいくつも産みつける。何十倍にも被害が拡大してからでは遅い。作物を育てる立場なら、害虫の駆除くらいできないとね、と言うのです。た、確かにもっともですね。

大切に育てて来たびわが害虫の仕業で台無しにされてしまっては、泣くに泣けません。

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福原農園では、無農薬を謳っています。お客様に、身体に安全なびわを安心して食べて欲しい からです。

無農薬で作物を育てるということは、農家が自らの身体を張って害虫と対決しなければならないことを意味します。まだまだ半人前のびわ農家ですが、苦手なことも頑張っていきたいです。

そういうわけで、都会の人工物ばかりの世界で生きていたら、自分の口に入れる食べ物の背景になんて、思いを馳せることなく年をとっていったかもなぁとしみじみ思う日々。少々凝視しづらい写真が続いてしまいましたが、どうかお許しくださいね。

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秘伝の技、花もぎ始めました

びわってこんな風に育ててるんだ
11 /08 2017
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こんにちは。福原です。斜面にある渋柿の木によじ登り、高枝切りバサミで収穫。

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包丁で皮をむいて、麻ひもの両端にT字にした柿の軸を結んで。。。

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ベランダに干しました。人生初の干し柿作り。食べるのも楽しみですが、秋の色彩を目からも味わっている気分。

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さて、当農園では11月から、本格的にびわの花もぎ作業を開始いたしました。

花もぎ作業とは、房州びわ特有の大きなびわにするための欠かせないプロセス です。本来、詳細な作業の方法については企業秘密なのかもしれませんが。。。半分素人の私が新人アナの現地リポート的に紹介しちゃいます。

びわは、花のつぼみを100個くらいかたまりでつけます。

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これを11月から2月くらいまでの間に順次咲かせていくのですが、全部の花を咲かせるとなると、びわの木にとっては相当な負担。ひとつひとつの花に養分が十分に行き渡らない懸念 もあります。よって、びわ農家が早目に間引いてあげちゃうのです。

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「花もぎ」とは呼んでいるけれど、これは業界用語。というのも、花が咲き始めているのは日当たりのいいほんの一部の木(※早く花が咲く品種もあります)。その他は、花はこれから咲くよっていう、つぼみの状態なので、「花もぎ」は正式には「摘蕾(てきらい・つぼみを摘む)」と言うそうです。

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(花が咲いてると、こんな感じ)

びわのつぼみは、ちょうど組立式のクリスマスツリーそっくりの構造(全体は三角形。つぼみが付いている細い軸が、ツリーの枝のように下から少しずつ角度をずらしながら刺さっている感じ)になっています。

Xmasツリー

花もぎでは、一番下にある頑丈そうな2本の軸を残して、あとの上部分は折ったり、ちぎったりして取りのぞいてしまいます。

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(2本の軸だけ残した状態)

つぼみは、一つの枝先に10~20個くらいに減りました。これで、びわの木の栄養は効率的に使われるようになりますね。

初心者からすると、三角形の上のほうについているつぼみのほうが若くて元気がいいのでは? と思ってしまうのですが、土台のほうのつぼみを残すのには訳があります。

これから来る厳しい冬には、びわの木を冷気が包んでしまいます。その時、ほんの数センチでも木の内側に、つぼみの付いている軸が入り込んでいるほうが寒さにやられない可能性が高まる という理屈です。

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(確かに、三角形の頂点のやつは寒そうだ。。。)

だから残す2本も、できるだけ180度に近いくらい角度的に反対の向きに付いているのを選んで残します。おんなじ方向だと一緒に死んでしまうかもしれない。最悪、どちらか片方だけでも生き延びることができるように という作戦なのです。

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(これは、あまりよろしくない例。2本の軸が90度になっちゃいました)

そう考えると、花もぎは、びわの寒さへの備え、冬支度をお手伝いしているという意味合いもあるんだなぁ。

冬を乗り越えて、最終的に生き残ったいくつかが実になり、その中からさらに春先の作業でたったひとつの実に厳選。その実だけが袋をかけられ、めでたく大きなびわに成長します。

大房

(秘伝の技のおかげで、思った以上に大きくなる)

つまり、房州では、11月頃と春先の2回、間引く作業をしているわけです。最初から一つの実(つぼみ)に絞ってしまうのは、寒さやら害虫やら強風で折れてしまうなどのリスクを考えると、ちょっと冒険し過ぎなので、確実な方法をとっているんですねぇ。

にしても、うっかり力の加減を間違うと、2本残すどころか全てのつぼみを折ってしまうこともあります。。。

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(失敗例。つぼみが一個もない!)

100個あったつぼみが→0個になってしまう。すなわち、可能性も何もない、収益ゼロに。

私がぼんやりしていたせいで、その枝で大きなびわを作るという目論み?がついえてしまうのです。。。ホントごめんなさい。ちゃんとやります。

この2本残しの花もぎ作業は、あと1ヶ月くらい続きます。全てのびわの木で同じ作業を何千回、何万回と繰り返します。体力的になかなかハードですが、ひとつひとつ集中し、慎重に作業を行っていきたいと思います。皆さま、来年の福原農園のびわをお楽しみに!

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福原祐美

千葉県南房総市在住です。
内房線富浦駅から徒歩50分のところにある「福原農園」が仕事場、兼、住まいです。
アラフォーです。

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房州びわを手にとる人に、「びわ農家がどんなことを考えて、どれぐらい手をかけて、びわを育んでいるか」を遠くからでも知っていただけたらなあ、そして福原農園をもっと身近に感じていただけたら嬉しいなあという気持ちでおります。

最近まで20年くらい福祉のお仕事に就いていましたが、突如、自然豊かな南房総で就農することを思い立ちました。

「対人のお仕事から作物を育てるお仕事へ」「都会の喧騒に囲まれた生活からTHE田舎暮らしへ」「独身貴族から農家の長男の嫁に」。。。といういくつもの転身を経て日々感じていることも、好き勝手に書こうと思っています。

色々な方と交流することでより人生は深まると考えておりますので、コメントはお気軽にどうぞ。いつでもお待ちしています。