農業研修生をお迎えしました

転職先としての農家を考える
09 /14 2017
こんにちは。福原です。

こちらでは、あちこちでヒガンバナが咲いています。

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ヒガンバナの赤色を見ると、文字通り秋を感じますが、ヒガンバナの仲間にはピンクやオレンジなど色とりどりの品種があるようです。白いものは時々、道端でも見つけることができますね。

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さて、当農園ではこの度、農業研修生を受け入れました。なんと、ご夫婦での参加という珍しいパターン。朝早く栃木県からはるばる車で来られたとのこと。

本来は、宿泊での研修としたいところでしたが、あいにく宿泊場所となるはずの母屋が改修中なので、今回は日帰りとさせていただきました。

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当農園では、HPで農業研修生の募集はしているものの、大々的にではなく、ひっそりと掲載しています(今は、素人嫁の私を指導するので手一杯)。なので、よくうちが農業研修の受け入れをしてること分かったね。。。という感じなのですが

なんでも、ご自宅の庭にびわの木が植えられているそうで、手入れの仕方についてご自分たちなりに勉強、試行錯誤されていたり

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はたまた、おばあさまの皮膚が荒れて困っていた時にびわの葉民間療法を知り、使ってみたらかなりの改善があって驚かれたり

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前々からびわに対し高い関心をお持ちで、そんな縁で当農園のHPにたどり着かれたのだとか。元々千葉県出身のくせに、嫁ぐちょっと前まで房州びわを全く感知していなかった私より、よっぽど情熱がありますな。。。素晴らしい!

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びわの実一つ一つに袋をかけて大きな実で収穫する栽培法は千葉県が北限と言われており、以北の地域ではびわを商業用に育てることは難しいのですが、色々な可能性を探っていらっしゃるとのことで、非常に熱心に農作業の基礎やびわの栽培技術について学ばれていました。

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また、将来的に農業に従事するならば、農協にお任せではなく、自分たちで販売する力を持つ 必要があるというお考えから、ネットでのお取り寄せという販売スタイルである当農園を研修先に選んでくださったようです。

普段からHPやブログ作成に力を入れている我々としては、離れた場所にお住まいの方からもアクセスしていただけることを実感できて嬉しいの一言。

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研修内容は主に、びわ山の草刈り、防風林の整備。。。などでしたが

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なぜ農業を志していらっしゃるのか、地元ではどのような作物が作られていて、新規参入の可能性はどのくらいありそうか、今後についてどんなところに不安があるのか、などを詳しくお聴きし、疑問にお答えするような時間もたっぷりとれたと思います。積極的に質問してくださるので、こちらもついつい熱が入ります。

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お話を伺って感じたことは、お二人が「高齢の両親をそばで見守っていけるように、地元に軸足を置いて働きたい」「それぞれのスキルや経験を活かしながらも、夫婦一緒に一つの仕事に取り組みたい」というお気持ちが強いこと。

私も、この大切なものを守りながら働くという姿勢に勝手にすごく共感しちゃいました。立場は少し違うかもしれませんが、組織あるいは顧客(福祉サービスの利用者様)に対する責任感から結果を出し続けようと、睡眠や食生活、大切な人との関係など後回しにしがちで(自身の要領やバランス感覚の問題ですけどね)、「身を削ってでもやらなきゃいけない仕事って何?」と混乱の末、自分立て直すために就農した人間ですので。

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自身の健康や家族の幸せが確保されてこそ、働くのは楽しいはず。そのあたりを見直せる農家の働き方を、たくさんの仲間と繋がって実践していけたらいいなぁと思った1日でした。

研修生のお二人とは、今後も交流を続けていきたいと思います。それでは、ごきげんよう。

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農家で肉体改造、その後

転職先としての農家を考える
08 /10 2017
*『写真でほっこりクイズ⑨~鋭すぎる棘の持ち主は?~』の答えは、この記事の一番下です*

こんにちは。福原です。

お義父さんの夏野菜畑では、収穫ラッシュを迎えています。下は、オクラです。

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野菜の花ってじっくり見たことがなかったけれど、よく見るとなかなかかわいいものですね。


現在、当農園では、びわの種びわジャムについてネット注文を受け、発送作業を進めております。

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びわの種は、薬として服用するものなので「決して美味しくはない。。。」という感想がほとんどですが、お客様から「びわの種を蜂蜜漬けにすると美味しく食べられるよ~」という情報をいただいたので、早速やってみました。

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うん、食感が がりっ→しっとり となってだいぶ食べやすいです! 風味は、杏仁豆腐。蜂蜜にも種の薬効エキスが出ていますので、ドリンクにも入れて飲みたいと思います。

びわジャムも、観光バスが入るような大きな直売所では、上々の売れ行きです。びわの関連商品は五万と出ているのですが、原材料のほとんどが房州びわそのもの、添加物が全く入ってないという点で、誰にでも喜ばれるお土産としてジャムが選ばれているようです。

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気になる方は、お早めにご注文くださいね(単なる宣伝でした。。。)


一方、農作業のほうですが、8月に入ってからもひたすら草刈りの日々が続いております。

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この間刈ったところが、一週間くらいするともう「あれ、どこを刈ったんだっけかな?」と思うほどに草が成長していて、このまま乗っ取られちゃいそうな脅威を感じます。

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雑草はできるだけ根っこから取り除くように心がけているものの、茅(かや)ヤブカラシなどのように根っこがちょっとでも残っているとすぐに復活を遂げてしまう輩はホントに手強い。。。根っこを掘り返すのに、けっこうな握力や腕の力を使います。

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また、アカメガシワニワウルシなどの樹木性の雑草(というか雑樹?)は幹が太く、もはや鎌では歯が立たないためノコギリで倒しますが、こちらも切り株からすぐに新芽が伸びてくるので、ゾンビかよ!と突っ込みを入れたくなります。

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これまでの人生で除草作業だったら百回以上やってきてますが、山に生える雑草は平地の雑草とは背丈も繁殖力も違う気がします。住宅地で見るクモやダンゴムシと、田舎で見るそれとはサイズが違う! と言われるのとなんか似ています。別物感

そういうわけで、たかが草刈り。されど草刈り。農家の草刈りはけっこう重労働だったんだなと知った今日この頃。


さらに最近、びわ農家ってこーんな仕事もあるんだねというのがありました。

それは、大木立ち枯れプロジェクト。前に、びわ山の日当たりを良くするために周囲の木を伐採する作業をご紹介しましたが、あまりに大きな木は伐採した後の運搬に困ることがあるので、その場で枯らして木自体を小さくするという方法をとるそうです。

例えば、甘夏の木を日陰にしてしまっているスギの木たち。

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枯らしたい木の幹の表面を、ナタでめくっていきます。

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はいだ部分が、下の写真のように幹を一周すると、道管・師管の働きが妨げられます。木は地面から水を吸い上げたり、末端まで養分を届けられなくなったりするので、徐々に弱っていく訳です。

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実際に枯れて来た木がこちら。

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単純に、「邪魔な木があったら切るしかないだろう」 という発想しかなかったので、そんな理屈を教わると「なるほど~」と思います。

にしてもですよ。ナタって手にしたことありますか? 私は何を隠そう、初めてです。確か、あのホラー映画『13日の金曜日』でジェイソンが持っていた奴です(あれは、用途が違いすぎますけどね。。。)。かなりの重量感。ナタが幹に当たる度に、腕にずーんと負荷を感じます。

ご存知かどうか分かりませんが、わたくし、力仕事に不慣れでして。就農してすぐ腱鞘炎になったヤワな人間なもので。。。強固な雑草の根っこの撤去でだましだまし使っていた手が、このナタを振り下ろす作業でまたまた痛みが増幅。

仕方なしに、途中から上司(である夫)にバトンタッチしてもらいました。ホント、いつもすんません。

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そういうわけで、改めて農家の仕事って思った以上に筋力が要求される作業が多いなぁ と。基本の草刈りだって、上記の通りなんですから。

思えば就農してすぐの頃、「筋肉細胞の生まれ変わるサイクルは2ヶ月らしい。この調子で日々肉体労働に勤しめば、2か月後には強い筋肉ができているはず 」と安易な期待を膨らませていましたっけ。では、就農5ヶ月後の結果は。。。

★手指の腱鞘炎→細々と痛みは続いている。しかも毎日、起床時のこわばりあり。
★手首の腱鞘炎→作業によって痛くなる時がある程度。
★上半身の筋肉痛→たまになる程度。
★下半身の筋肉痛→たまになる程度。
★体脂肪率・筋肉量→大きな変化なし。


とまぁ、全体としては、何とか現状維持で耐え忍んでいる状況ですかねぇ。「農家になって毎日身体を使っているから、どんな作業にもオールマイティに対応できる筋肉が育ってきた!」とはとても言えないです。残念ながら。

それと、両手の指のこわばりは、なんと40代以降の女性にはめずらしくない症状(女性ホルモンの影響が考えられている)ということも分かりまして。

めでたく、「自分の身体の限界はそうそう伸びない。この身体と付き合っていくしかないんだ 」 ということを受け入れつつあります。

ただ、同じ作業を二度三度経験していくにつれ、①無茶な姿勢で作業することが減り、無理のない楽な体勢が自然にとれるようになったり、②不必要にずっと身体を緊張させていた状態から、必要な瞬間だけ力を入れるようになったり、③途中で別の作業を入れて、特定の筋肉を長く使うことがないようにしたり。。。と、アラフォーの肉体なりの気付きや工夫はあったと思っています。この調子でガンバロウ。

とりあえず、お気に入りの鎌の持ち手の部分に(気休めだけど)多少なりともクッションになるよう、バトミントンラケット用のグリップテープを巻いてみました。何事もノリとテンションは大事かと。。。ちょっとかわいくなったでしょう?

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アラフォー以降に転身した皆さま。欲張らず、地道に環境適応していきましょうね。今後ともよろしくお願いいたします。


『写真でほっこりクイズ⑨~鋭い棘の持ち主は?~』の答えは

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柚子の木でした。

うっかり触ると、軍手の上からでも深く刺さります。伐採した枝を長靴で踏んづけても、貫通するほどの棘です。木が実を守るために発達させた棘なのでしょうから、柚子の棘で害獣が撃退されている場面を見てみたいもんですね。

それではまた。


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持続可能な働き方を意識した

転職先としての農家を考える
08 /04 2017
こんにちは。福原です。

サルスベリの花が満開です。

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こちらでは、蝉の声がすっかり主役になっています。

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さて、私ちょっと前に、夏風邪をひいてしまいました。熱帯夜が続いて寝苦しいからといって、朝までエアコンの風を直撃状態にしていたからだと思います。

朝起きたら喉が痛くて、唾を飲み込むのがつらい。。。早速、上司(である夫)に「風邪ひいたみたいだから、今日山に行かなくていいですか?」とお願いし、しばらく薬を飲んで安静にしていました。

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(夏風邪の写真は撮れなかったので、風景写真が続きます)

通常、私の場合は風邪をひくと、のどの痛み→頭痛→寒気→発熱・だるさ→たんの絡む咳。。。みたいな感じで症状が推移していくのですが、今回の風邪は咳が出る前に楽になり、2日半くらいで完治。たぶん人生最速です。

いや、もともと風邪じゃなかったんじゃないの。ちょっと疲れていただけとか って思い直しましたが、低体温動物の私がめずらしく熱もあったし、あの咽頭痛といい、だるさといい、長年生きていれば「あ、こりゃ風邪だわ」というのは分かりますもの。

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就農する前はと言うと、間違いなく風邪をひいたら悪化させていました。良くなるのに2週間、こじらせてそれ以上かかることもありましたし、治ったと思ったらぶり返すということもけっこうありました。

福祉や医療の現場といったら、とにかくしゃべるのが仕事。ミーティングでしゃべる、お客さんと面接でしゃべる、集団セッションで前に立ってしゃべる。一日中しゃべります。喉が痛いのに喉を酷使するので良くなるはずもなく、風邪の後半はいつも喉がつぶれ、マスクしながらハスキーボイスで働いていたのを思い出します。

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今回は、どうして早く風邪を治すことができたのか? と考えてみたのですが、農家では基本的に家族以外しゃべる人がいないので、喉の炎症がひどくならなかったということがひとつと。。。

何より、タイムリーに必要な休養をとれたから でしょう。いわゆる早期発見・早期治療です。でもこれって、実行するのはなかなか難しいですよね。

組織で働いていると、具合が悪くても休めないことが実に多い。人手不足でシフトを代わってくれる人がいない、大事な会議やアポが入っている、自分以外の人には任せづらい業務がある などなど。

責任の重い仕事を任されている人ほど、しんどくても休みづらいんじゃないでしょうか。たとえ有休がたんまり残っていても。

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私は福祉施設での勤務が長かったのですが、スタッフが減るとどうしても利用者の生活にダイレクトに支障が出てしまうので、体調を理由に休んだことはほぼなかったと思います。他のスタッフに迷惑をかけたくないという気持ちも。市販薬を飲みまくっては症状をごまかし、這ってでも出勤していました。

そのくせ、後輩や同僚には「利用者はスタッフを頼りにしているのだから、シフトに穴をあけるなんてプロとして許されないわよ 」「体調管理も給料のうちでしょ 」などと豪語しているようなキャラでした。周りから「いつも元気ですね。具合悪くてもそういう感じを見せないですよね 」と言われることを誇りにもしていました。今考えれば、一緒に働いている人にとって、めんどくさい存在だったと思います。若気の至りですね。。。

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さらに、生意気にも 誰にでもとって代われる仕事なら自分でなくてもいい、自分にしか出来ない仕事をしたい という考えも持っていました。それでか、過去の職場で複数の上司から、「特定のスタッフがいないと回らない職場にはしたくない」「組織って言うのは、ある日突然一人抜けても、案外他のスタッフが育って補ってくれるものだよ」などと言われたことがあります。私にはプロ意識というより、この患者さん、このクライエントは私じゃないとダメなのよ という思い上がりがあったということ。そのことに、上の人たちは気付いていたのかもしれません。

その点は今、自分を省みているのですが、死んでも休まないという仕事への心意気と、具合が悪い時に休みやすい雰囲気の職場かというのは、また別問題。常にギリギリの人数ではなく、余剰のマンパワーを置いているか、トラブル処理や困難事例までこなせる人材を普段から育成しているか、急に人が欠けてもスムーズな連携でカバーできるように準備できているかという話なのですが、それが実現できている職場はとても少ないと思います。

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働く人が大切にされない職場で、お客様に良いサービスが提供できるわけないだろ~ と叫ぶのは簡単ですが、日本の企業風土を変えるとか、人事マネジメントはどうあるべきかとか、そういう大局的な視点で議論が必要になってくる問題ですよね。

でも、具合が悪い時に必要な休養をとるために個人で取り組めることって案外シンプルではないでしょうか。それは、普段から真面目に真摯に働くこと。それができていれば、「具合の悪い時くらい、職場のことは気にしないでゆっくり休んでいいよ」と言ってもらえるはず。働く姿勢を評価されていない人は、ピンチの時に気持ちよく「休んで」と言ってもらえないです。

多かれ少なかれ、体調を崩さない人なんてこの世にはいないはずですから、お互いさまと気持ちよく言いたいし、言ってもらいたいですよね。それができない職場では、長く楽しく働いていけないと思います。持続可能型ではない。

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また、体調を崩すというのは、疲労やストレスがキャパシティを超え、身体が悲鳴を上げている状態、それ以上無理が続かないように休息しなさいと脳が指令を出している状態とも言えるわけです。

体調不良がひどくなってしまったら、それこそ働く場所を長期に失うことにもつながってしまいます。一生懸命働いて、しんどい時は早目に休むことができる職場づくり。その重要性は、大企業であろうと、家族経営の自営業であろうとおんなじかなぁと。

農家に転職し、夏風邪をひいて、そんなことを考えました。なんだかんだ、夏風邪にはご用心。。。

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事務仕事こそ蜜の味

転職先としての農家を考える
07 /15 2017
こんにちは。福原です。

農地にヤマモモの実がなっていました。ビーズを敷き詰めたような独特の質感。

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食べてみると、素朴さの残る甘酸っぱさです。子どもの頃にもどこかで食べた記憶が蘇ってきます。

知り合いの方から完熟梅をいただき、生まれて初めて梅干しを漬けてみました。梅干しは毎日でも食べたいので、漬け上がるのが楽しみです。

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身近で自然の恵みが手に入る生活は、どこかに置いてきてしまったゆとりを取り戻してくれる感じがします。


さて、就農して早4ヶ月。このブログで書かせてもらってきたように、日々様々な農作業に取り組んでいます。

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一方で、当農園では、仕事において事務作業もかなりの割合を占めています。ご注文や問い合わせ(メール・電話・FAX)への対応、顧客情報の管理、郵送用の伝票や請求書の作成、POPや看板のデザイン、発送時のトラブル処理などなど、なかなか多岐に渡ります。

農家と聞くと、いつも外にいるようなイメージでしたが。。。

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農家のあり方もだいぶ変わってきているようです。

遡ると、昔から当農園ではびわを、主に地元の農協を通じて市場で販売していました。

房州びわの荷姿

築地市場の競りなどを思い浮かべてもらえれば分かるように、市場出しの農作物はバイヤーの言い値で取引されてしまいます。そのことに加え、豊作の時などは、たくさん売りたくても市場のみでは捌ききれないこともあったそうで、下手したらたたき売りのような状態にもなりがちでした。

十数年前、今の農園主が脱サラUターンをしてびわの仕事に携わるようになった時、「びわを買いたい人とダイレクトにつながり、もっと効率的に売りたい」という動機から、一念発起して農園HPを自作しました。

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つまり、農園独自の販路を開拓した形。びわやその他の農作物の注文の多くを、ネット経由で注文フォームから受けるようになったのです。インターネットを導入した以後、広く全国から注文が入るようになり、ありがたいことに顧客は年々増え続けています。

そこに嫁いできた私。当初から軟弱そのもの(筋肉痛と腱鞘炎に悩まされる。。。)。農作業の他にも何かできることはないかしらと思い、訳も分からず、農園の事務作業を覚えることになりました。

新しいびわ宅配伝票

しかし、ここで問題が。。。

わたくし、元来、PC業務が大嫌い。PC業務を好きになれない理由は

①仕組みがよく分からないものを操作するから疲れる
②不具合があっても自分でリカバリー出来ないのでイラつく
③マシンに翻弄されている感じがして情けなくなる


という筋金入りのアナログ人間なのです! しかし、どんな業界でも「PCできません」は許されない昨今。前職では仕方なしに最低限のPC業務はこなしておりましたが、いまだに苦手意識は消えず。

それなのに、農家に華麗なる転身を遂げたはずが、再び事務仕事にがっつり向き合うことに。

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始めのうちは、毎日農園に大量に届くメールをチェックする作業がとても苦痛でした。なぜって、農園に来たばかりの私には、1000人以上いるお客様の名前が暗号にしか見えない。

どれがお得意様で、どれが関係者か。あるいは単なる問い合わせ?、要望?、はたまたクレーム? どう答えれば正解なのか。商売人ならばどこまでも丁寧に対応すべきでしょう?、いやいや、時間には限りがあるんだから簡潔に打ち返す(他に振る?断る?)べきかな? などと判断に迷うこと多し。でも、テキパキ処理していかないと、未処理メールはすぐに溜まってしまいます。

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さらに、びわのシーズンが近づくと、電話やFAXもひっきりなし。ますます混乱は深まりました。ミスも連発し、落ち込みはピークに。

ようやく事務作業への嫌悪感がとれたのは、繁忙期が過ぎた頃でした。

お客さまからのメールを読んでいると、色々なことが分かります。お客様がどんなきっかけで当農園を知り、あるいは房州びわにたどり着いたのか。

また、びわの注文メールを確認するだけで、依頼者の方がびわをどのくらい好きなのか、どんなに情熱を持って注文してくださっているのかが伝わってくることもあります。そういう時は、顔を知らないお客様でも、こちらもなんだか張り切る気持ちになります。

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特に、房州びわは贈答用として発送されることが多いので、「びわが好物の家族に美味しいびわを食べさせてやりたい」とか、「びわが珍しい地域に住んでいる友人をぜひ驚かせてやりたい」とか、贈る人の贈られる人への思いを感じ取ることができるのも、びわ農家の魅力の一つかもしれません。

いつの間にか、初夏のギフトが大切な人同士を結ぶのに一役買っていることを実感し、自分も精一杯のお手伝いをさせてもらいたいと思うようになりました。

お客様から、お礼のメールやお手紙をいただくことはしょっちゅうです。生産者の顔が見える果物を買える安心感や、美味しいお中元を手軽に確実に手配できる喜びの声もいただきます。

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そういうわけで、HPを作成し、インターネットを活用した販売ルートを確保したことで、より直接的にびわを求めるお客様と出会い、よりお客様との距離が近くなっているとも言えるわけなのですが、これは私が当農園に来なければ分からなかったことです。

これからも、事務作業は増える一方だと思われます。そして、HPのメンテナンス(これは夫である農園主が主に手掛けています)、このブログの執筆も事務作業の一つ。最近、暑さにかまけてサボり気味ですが。。。

南房総から遠く離れた場所に住んでいるお客様にも信頼していただける農家であり続けることを誇りに、これからも精進してまいります。

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びわと農家のgive&takeな関係

転職先としての農家を考える
07 /09 2017
こんにちは。福原です。

猛暑日が続いていますね。。。

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暑さに負けそうな自分がいるものの、やる気を奮い起こして山に出かけます。

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家の中でうだうだやっていると気分までうだうだしてきてしまうのですが、山に行ってみるとなぜだか生き物から元気をもらえます。君たちだって暑いんだよね~と話しかけてみたり(ちょっとあぶねえな。。。)。

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そういえば都会の生活では、飲みに行って発散したり、美容院に行って気分転換したりということはあっても、自然からエネルギーをいただくということはあまりなかった気がしますね。


びわの種で、杏仁豆腐を作りました。びわと杏子は同じバラ科の仲間で、香りも似ています。

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フードプロセッサーで種を細かく砕くのですが、思っていたよりお手軽に出来ました。上に乗ってるのは、びわのシロップ漬けです。旬が終わっても楽しませてくれるびわが、ますます好きになります。



さて、今日のテーマは、私が就農する前から持っていた疑問について。

それは、びわの木がびわ農家のことをどう思っているのか? です。

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「は?? この暑さで何言っているか分かんなくなってるよ、この人」 と思われたかもしれませんねぇ。

でもこれ、農家のことをよく知らずに就農した私、そして妙に白黒つけたがる性格の私にはけっこう気になるテーマなんです。

びわ農家は、びわの木の子孫である実を拝借して(?)販売することにより、金銭を得ている。これって、びわの木から搾取していることになるんじゃないの? びわの木はそんなこと望んでないんでないの? それは自然保護の観点から外れていないの?

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という考えが浮かんでくるわけで。。。はたまた

枝にたくさんの花を咲かせ、多くの実がなっているにもかかわらず、そのほとんどを人の手で落とし、枝に一つだけ残した実を大きく育てて「房州びわ」というブランドをアピールしようなんて横暴だし、びわ農家のエゴではないの??

11月初めの大房の花芽

というような考えさえ頭をかすめます。

でもそんなこと言ったら、肉や魚、卵、米や野菜などの農作物を口にすること自体、人間の自分勝手になってしまうし、 強いもの(人間)が弱いものを食すって生態系における掟なのだから、そういうことはあんまり考えすぎてはいけない

のかもしれませんが。。。うーん、どう考えを整理したらいいのか、就農してからのこの数か月、ずっと気になっていました。


しかしながら、びわの仕事に携わっているうちに、少しずつそのような葛藤は薄らいできましたよ。

なぜなら、びわ農家とびわの木の間にあるパートナーシップとやらが見えてきたからです。

びわは実を付けるまでに4、5年かかります。苗木から育て、健康でたくましい木に成長するよう、びわ農家は色々な対策をとります。

芝口の苗木植え付け

例えば、びわは葉っぱで光合成をすることによって養分を実に届けることができるので、日光を遮っている周囲の木を伐採するなどしてびわの木の日照を確保します。

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また、害獣対策は過去の記事でも紹介済みですが、びわの木に住みつく害虫への対策も重要です。

キクイムシの被害

これはカミキリムシの幼虫ですが、放っておくと枝の中を空洞にしてしまい、木を弱らせてしまいます。入り込んでる穴を見つけたら迷わず駆除です。

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あるいは、びわの木が強風で倒れてしまうことがあります。起こしてもう一回埋め直してあげたくなりますが、一度切れてしまった根っこを再度張ろうとすることで、びわの木の回復力がかえって失われてしまいます。

倒れたままの状態でも、一部の根が生きていれば実を付けることはできます。でも、木がたくさんの実を付けようとして余計に疲れてしまうことを防ぐため、枝をつめるなどして一次的に負担が少なくなるように調整します。

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瀕死の状態でもなんとか復活を遂げようとするびわの生命力にも圧倒されますが、びわの木が長く元気でいられるように、びわ農家が常に二人三脚でその生態を見守っているという事実を知って、少しほんわかしました。

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(倒れた木から、上に伸びようとする新芽が出ています!)

そういえば、聞いた話によると、古くて元気のなくなったびわの木は、若いびわの木もしのぐほどの数の実を付けるそうです。死ぬ間際の木が、こんなにたくさんの実を付けるとは驚いてしまうのですが

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これは、びわの木が必死で子孫を残そうと頑張った結果。木にもライフヒストリーがあり、次の命に繋げたい意志があるということ。

いつも近くにいて、びわの木がどうしたいと思っているのかを理解し、木が生き延びるための様々な手当てをしてあげるびわ農家。樹木医というより、びわのホームドクターです。そのお礼として、びわから年に一度橙色の宝石のような贈り物をもらっているという考え方もできます。

大房

びわの気持ちを聴いた訳ではないけれど、納得の上で毎年美味しい贈り物をしてくれているのではないかな~と。もっとびわの木の声に耳を澄ませ、より強固なパートナーシップを築ける農家になっていきたいものです。

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それではごきげんよう。。。


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福原祐美

千葉県南房総市在住です。
内房線富浦駅から徒歩50分のところにある「福原農園」が仕事場、兼、住まいです。
アラフォーです。

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房州びわを手にとる人に、「びわ農家がどんなことを考えて、どれぐらい手をかけて、びわを育んでいるか」を遠くからでも知っていただけたらなあ、そして福原農園をもっと身近に感じていただけたら嬉しいなあという気持ちでおります。

最近まで20年くらい福祉のお仕事に就いていましたが、突如、自然豊かな南房総で就農することを思い立ちました。

「対人のお仕事から作物を育てるお仕事へ」「都会の喧騒に囲まれた生活からTHE田舎暮らしへ」「独身貴族から農家の長男の嫁に」。。。といういくつもの転身を経て日々感じていることも、好き勝手に書こうと思っています。

色々な方と交流することでより人生は深まると考えておりますので、コメントはお気軽にどうぞ。いつでもお待ちしています。