自営業夫婦の距離感てどうよ!?(冬の房州自転車紀行も兼ねて)

農家の長男と結婚してみた
12 /25 2017
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こんにちは。就農一年目の福原です。いや~ホントに年の瀬ですね。福原農園では、お世話になった方々へ心を込めて水仙の贈り物を発送しています。

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さて、びわ農家は、びわの実が大きく膨らんでいくことをただただ祈りつつ、春先まで閑散期が続きます。仕事が少ないこの時期、ボケボケしているとこのまま正月太りまっしぐら。。。という危機感を持った私は、なぜだか自転車で旅に出る ことを思い付いちゃいました。学生時代に自転車旅行の経験がある夫もすぐに賛同。

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リサイクルショップで中古のチャリを買うところから)

当初は「よーし、愛する千葉県を一周だ!」と張り切っていました。千葉県は地形的に標高500メートル以上の高い山がなく、海に面している平らなロードが続くため走りやすいと聞いたことがあったからなのですが、よ~く考えたら一周約500キロ。

心配した家族に泣いて?止められ、自分でも年齢と体力面を考えると、500キロ制覇に何週間かかるか分からん と思い直し。。。

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(行程の半分くらいは海沿い)

千葉県の真ん中へんを西から東に横断し、千葉県の下のほう(アバウトだな)をぐるりと回ってくることにしました。これで半分くらいの距離になります。

コースは、福原農園がある南房総市富浦から北上→富津→木更津あたりから千葉県を突っ切って九十九里浜へ出る→勝浦方面に南下→鴨川→館山を通って自宅に帰る、てな感じです。

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(以下、本文とはリンクしない、旅の写真が続きます。悪しからず)

最低限の着替えをリュックに詰めて、5日後までに帰ってくることだけを決め、あとはあんまり何も考えずに夫と二人、出発しました。

危険なトンネル
(歩道が狭く、交通量の多いトンネルを抜けるのは、とても怖い)

夫婦でこんな無計画な旅に出られるのも農家ならではかもしれません。いつも同じ仕事に一緒に取り組んでいるので「この仕事がひと段落したら、頑張ったご褒美に美味しいものを食べに行きましょう」「繁忙期が終わったら、温泉行きたいですね」 などと共通の目的意識を持ちやすいのも恵まれているなと思います。

現に近所でも、閑散期に仲良く一緒に出かけている農家夫婦を多く見かけます。

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(富津名物のはかりめ(あなご)とキスの天丼。うちでは、どうしてこんなにサクッと揚がらないのか。。。)

私の過去の職業は福祉関係だったので、変則勤務と呼ばれるシフト制でした。つまり、早番、遅番、夜勤と毎日出勤時間が変わり、土日祝日関係なく勤務になっていれば出勤しなければなりません。職場が入所施設であれば、年末年始もGWもなしです。

福祉従事者はなんて不幸なんだ。。。、と思ったこともありましたが、平日にお休みがあるというのはけっこう便利だったり、夜勤手当や祝日手当などが付く職場であればお給料も増えるし、そんなに悪いことばかりでもなかった気がします。

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(JR久留里線と平行して走る。単線の駅は可愛らしい)

しかしながら私の周りでは、変則勤務の福祉職場から、いわゆる日勤職場(月曜日から金曜日まで昼間の8時間働く)に転勤になる人は、大いに嫌がっていました。なぜって、配偶者と同じ土日休みになると自由がなくなる、ストレスがたまる、ということらしいです。すれ違いだから良かったのに~みたいな感じですね。なんか淋しい気もしますが。

ドイツ村
(千葉県の人気観光スポットに数えられる東京ドイツ村。名前に東京って付けなければいいのに。。。)

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私も独身生活が長く、一人で過ごすことに何の苦も感じない、むしろ一人の時間は気楽タイプであったため、農家の嫁になる際、「ずーっと夫婦べったりで大丈夫か??」という不安がなかったわけではないです。仕事でも一緒。家でも一緒。朝昼晩の食事も一緒なのが農家夫婦ですので。

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(どこかエキゾチックな御宿の砂浜)

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(これを食べるために走り続けたと言っても過言ではない、勝浦タンタンメン

ところが、職業別の離婚率なんてものをネットで調べてみると。。。基本的に、農家を含む自営業者は離婚率が低い のです! 逆に、離婚率が高いのは、(男性の場合と女性の場合で若干異なりますが)医者、看護師、弁護士、サービス業、運輸系などのようです。

つまり、離婚率が高い理由として考えられるのは、①忙しすぎて家族と過ごす時間が極端に少ない ②他の異性と接触する機会が多い ③仕事上のストレスが多く、それを家庭に持ち込みやすい ④女性が資格や高収入を得ていて、離婚後の生活に不安がない などがあるわけです。

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日蓮聖人生誕の地と言われる誕生寺)

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(日蓮聖人12歳の頃のお姿)

な、なるほど。。。興味深い調査結果です。これらの理由が、自営業には当てはまりにくいことが分かりました。自営業では、ひとつの仕事に夫婦協力して取り組むため、お互いが今何を考えているか理解しやすいし、片方が困っていたら手を差し伸べることもしやすい、よってすれ違いが起こりにくいってことですね。

自営業者の中には、「ずっと配偶者に監視されているみたいで嫌だ」とか「自分の時間がなくて息が詰まる」なんて言う人がもいらっしゃるようですが、そういう夫婦はたとえ別々の職場になったとしても、あまり上手くいかないんじゃないのかなと思います。相手に対する気遣いや思いやりが欠けていたら、職業うんぬんの問題とは言えないですから。

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(その日泊まる場所を決めないで進む旅は、けっこうハラハラする)

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(沈む太陽と競争。日が暮れたら、寒くていられないだろう)

農家の場合、常に自然の中に居るので、真夏の厳しい暑さや秋冬の風の冷たさなど一人では心がくじけそうな瞬間、あるいは肉体労働後のお茶やお菓子の美味しさや、季節の植物が花や実を付けた時のささやかな感動を、共感してくれる相手が常にそばにいることが絆を強めることにつながっているのだろうなと感じます。

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(何度来ても飽きない鴨シー

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(海の哺乳類と飼育員さんとの信頼関係に涙する)


さて、自転車旅の話に戻させていただきますと、計4泊して全行程約250キロ、ペダルをこぎ続けました。大きなトラブルもなく(小さい事件は色々あったが。。。)、無事元気に帰還したのでした。中古のチャリで、年の割には頑張ったかと。

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(関東唯一の捕鯨基地、和田浦)

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(懐かしいクジラ料理が食べられる。クセもなくヘルシー)

出発前は、12月下旬という時期の寒さと、膝の関節痛、太ももなどの筋肉痛をとにかく恐れていましたが、旅行中一番私を悩ませたのは、お尻と股の痛み。もう初日からかなり痛かった。温泉でゆっくり疲れをとろうにも、お風呂の椅子が辛くて座れないんですから!

ちなみに、全日、天気に恵まれたおかげで汗びっしょりになったため、寒くてどうしようもないなんてことは一度もなく。足の筋肉痛にもけっこう慣れるもんです。

5日間も自転車に乗っていると、色々知恵がついてきて最終的に学んだこと①坂道ではこまめにギアチェンジをして無理しない ②汗で身体が冷えないように脱ぎ着して体温調節 ③道の段差ではお尻を浮かせて尻骨?の衝撃を和らげる ④朝夕は念入りにストレッチ ⑤下半身を締め付けないパンツを選ぶ(縫い目や蒸れが痛みとかゆみの原因に)

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(たくさんの道の駅にも立ち寄った)

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サザエキャッチャー。200円で獲れたら儲けものだが。。。)

以上。まぁ、この時期に自転車で旅行に出かける人は少ないでしょうから、あんまり参考にならないか。。。失礼いたしました。

それにしても、自分の住む都道府県でも改めて自転車で走ってみると、他の交通手段では見えなかったもの、知らなかったことに気付けるのは間違いないと思います。そして、自転車で旅している人には、会う人全てが哀れんで?とっても親切にしてくれます。

もう一回やれと言われたらたぶん断るけど、終わってみればふるさとの魅力再発見ができた良い年の瀬でした。

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(経営再建中の道の駅。昔の南房パラダイス

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(鮮やかなドラゴンフルーツ)

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(小さいおじさんこと不思議なお猿さん、マーモセットと交信中)

最後に、自転車旅をして夫婦関係に変化はあったか、なかったかですが、旅行中要領が悪いパートナーにがっかりした、あるいは、いつもより頼りがいがあるように見えて惚れ直した。。。なんてことは特になかったです。普段から行動を共にしているので、良くも悪くも意外性には乏しいのが自営業夫婦の宿命なのかもしれません。

暮れのお忙しい中、長々と読んでいただき、ありがとうございました。

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野島崎灯台。海風の強さに驚く)



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「農家の姑」の気持ち

農家の長男と結婚してみた
09 /20 2017
こんにちは。福原です。

先日は、台風18号の影響で大変な風雨でしたね。ニュースによると、大きな被害の出たところもありましたが、皆さまのところは大丈夫でしたでしょうか。

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当農園でも、強風で栗の枝が折れていたり、防獣ネットが緩んだりしているところがありましたが、幸いびわの木は小さな苗木も含めて無事でした。気象は人間の力ではどうにもならない からこそ、備えができる部分はしっかり対策をとりたいと思いました。

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さて、突然ですが今回は、「農家の嫁」ではなく、「農家の姑」の気持ちにスポットを当ててみる企画。。。

試しに「農家の嫁」ってネットで検索してみると、「休む間もなくこき使われ、家の労働力としてしか扱われない」「朝から晩まで働いても、お給料が出ない」「出かける自由もプライバシーもない」「周りに相談できる相手もいないので、孤立無援」。。。とないない尽くし。

それって奴隷じゃ?と思うような記述や、逃げるように離婚したとか自殺を考えるとか暗い話が多くて、ひえ~今時、こんな恐ろしい世界があるの。。。と驚いちゃいます。私は、酸いも甘いもかみ分けた?アラフォーで嫁いだからか、マイペースに楽しくお仕事させていただいています(嘘ぢゃないです!)。

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一方、かつての農家の嫁だった「農家のお姑さんの気持ち」って、調べてみてもあんまりヒットしないんです。今も昔も農家の嫁は大変だと言うけれど、実際に農家のお嫁さんとして長く頑張ってこられた方の気持ちを一度ちゃんと聞いてみたいなぁと思ったわけです。

以下、うちのお義母さんの気持ちをインタビュー形式でご紹介。

※ちなみに、うちのお義母さんは元銀行員。サラリーマンの妻になるつもりで20歳(!!)でお見合い結婚したが、色んな事情が重なって突如、夫(私のお義父さんですな)の実家であるびわ農家を自分が中心になって切り盛りすることになり(もちろん農業経験はなし、心構えもなし)、それから40年以上もの間、当農園を守ってきてくださったすん~ごい人です。

Q:一般的に「農家の嫁は大変だ」と言われていますが、どう感じますか?
A:とにかく嫁ぐ家による。家でも仕事でもずっと家族と一緒にいるのが農家。毎日密に関わる。一緒に居て苦痛な人たちだったら、無理。気持ちの優しい人たちだったら、大丈夫。酷い目にあった人もたくさん知っているけど、私はいびられたことはない。いびられる嫁も昔よりだいぶ減っている。農家をひとくくりにするのは間違いだと思う。

Q:20歳で農家に嫁いで、困ったことは何ですか?
A:今思い出しても、やったことないことばかりで本当に大変だった。親や親戚など周りの人も、苦労するところに嫁に行っちゃたねと心配していた。でも自分は、こんなはずじゃなかったとか、逃げ出してやろうとか、そういう発想にはならなかった。とにかく、田植えだ、次はびわの収穫だと目の前にやることがわんさかあったので、それをやるしかない、それが当たり前と思ってやってきただけ。

Q:40代で嫁いでいたら、何か変わっていましたかね?
A:20代の勢いがあったからできたのかも。逆に40代だったら、嫁いでないだろうなぁ。。。

Q:農家に嫁いで良かったなと思うことは何ですか?
A:①毎日いい汗流してビールがうまい。
②毎日身体を動かすので、太りすぎなくていい。
③ほとんど自然相手なので、人間関係の変なストレスがない。
④いつ仕事をするか、どういう方法でやるかなど、自分の裁量でできることが多い。
⑤結果が目に見えるので喜びが大きい。

Q:逆に、農家に嫁いで辛かったことは何ですか?
A:毛虫がいること。

Q:農家の嫁に必要な素質って何だと思いますか?
A:①健康なこと。どこか身体が悪くても農業ができないわけじゃないけど、健康じゃないと苦しいと思う。
②外からの刺激を受ける機会が少ないので、自分で創意工夫する発想力が必要。
③農家の仕事にどっぷり浸かってしまうと視野が狭くなってしまうので、どんどん外に出て色々な人と情報交換できる社交性はあったほうがいい。色んな風を入れる。

Q:40代の嫁(私)を迎えるにあたって、何を考えましたか?
A:特に何も考えなかった。今まで通りにしようと。もし、体力的な不安とかこっちにお友達がいないとかで辛い思いをしたら可哀想だなぁとは思ったが、40代だし、色々承知した上で来てくれるからありがたかった。


てなわけで、インタビューはこんな感じで終了。全く心の準備もなく、びわ農家の嫁となったのに、その数奇な運命?を前向きに楽しんじゃっているうちのお義母さんは、すっきりさっぱりの、とても強くて優しい女性です。

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(素敵な暮らしをしている女性代表ということで、雑誌に取り上げられたことも)

しかしながら、私にはひとつ気になったことがあります。今では嫁を温かく迎えてくれる農家も増えてきたということですが、かつてのお嫁さんの中に、「自分はさんざん意地悪をされたんだから、姑になったら嫁にも同じ目に合わせてやるぜ」というお姑さんと、「自分が苦しんできた状況を繰り返してはならない、嫁が生活しやすいように配慮してあげよう」というお姑さんの2タイプに分かれるのは何ででしょう? どこに分かれ道があるのでしょうね。

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私はこう考えました。お嫁さんには自分と同じ目に合わせたくないと思う反面教師タイプのお姑さんは、かつて、受け止めてくれる誰かに怒りや悲しみを吐き出せていた人、長い時間をかけて、心の中の怒りや悲しみを整理することができている人なのかもしれません。

マイナスの感情は蓋をしたままだと、ある時一気に噴出してしまいます。人間てそういうことに気付かず、負の連鎖を生み出してしまうところがありますよね。例えば、自分が親から虐待を受けてきた人が、自分はあんな親みたいにはならない と誓っていたはずなのに、親になってふとした瞬間に子どもに手を挙げてしまう人がいるのと同じ構造かなと。

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(他にも、私の周りには魅力的な農家の元嫁がたくさん!)

一口に農家と言っても、何を作っている農家なのか、家族経営なのか、もっと大きな規模なのか、専業(兼業)農家なのか、同居(別居)なのか、など色々な条件でも状況は変わって来ると思いますが、どんな農家であっても、辛いことや家族と意見が合わないこと、もうこんなのヤダ~と思うことはゼロではないはず。あって当たり前。

そんな暗い気持ちが心に充満した時は、冷静に言葉にして伝えたり、時には泣いたり怒ったりして自分が困っていることを外に表現したほうがいいんだろうなと思いました。「我慢するのが嫁 」みたいな古い価値観が根強い地域、家もまだまだあるそうですが、溜めないこと、それが女性が生き生きと働ける農村 に変わっていくための小さな一歩なのかもしれません。

もし、皆さんのそばに、「好きになった人が農家の長男だ 」ということで悩んでいる人がいたら、ぜひこのブログのことを教えてあげてくださいませ。

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農家って言ってもどこの農家に嫁ぐべきかの話

農家の長男と結婚してみた
08 /18 2017
こんにちは。福原です。

前代未聞に日差しが少ない今夏。そんな中でも、トウモロコシが実りの季節を迎えています。

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茹でて食べるだけだと飽きてしまうのですが、フライパンで転がして焼くと香ばしさ満点。バター醤油味です。

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さてさて、ここ最近取り組んでいる作業。何らかの理由で枯れてしまったびわの木を撤去して

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そこに新しい苗木を移植するお仕事。

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枯れてしまった理由は、土の中にある病気の菌が入ってしまった、虫に幹を食べられて弱ってしまった、など色々です。

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枯れた木を撤去する方法としては、根こそぎ引っこ抜くか、それが難しい場合は根元からノコギリで伐採します。

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スコップで新しい苗木を埋める穴を掘って元肥を入れ、そこにポットから出した元気な苗木をセット。土をかぶせたら作業完了です。

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びわの一部の枝だけが枯れている場合は、その部分だけをノコギリで切り落とすことも。下は、大きな枝が浮いててイリュージョンみたいになってますが、切った枝が他の枝に引っかかってなかなか落ちないでいるところ。木に登った状態でノコギリを使うので、高度なテクニックを要します。

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常に苗木を健康な状態で維持し、育て上げ、収穫できるように備える努力が、5年後、10年後の農園の未来を左右すると言えます。現在の主力であるびわの木たち(20年選手かそれ以上)が、いつ引退しても大丈夫なように。

ああ、それにしても感慨深い。苗木の移植作業。実は、私が一番最初に行った農作業がこれなんです。結婚前に、当農園で農業研修をさせてもらった際に体験しました。

眼を閉じると、あの時の感動を思い出します。「自然の中で汗をかくって、なんて気持ちいいの!」と心を震わせながら、穴掘りの疲れや筋肉痛などものともせず、ただただ楽しくて、張り切って作業をしたものです。

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現在はというと、手の痛みが悪化しないよう、こういったバリバリの肉体労働は上司(である夫)に任せ、私はあまり手に負担がかからない作業(肥料まきや害虫駆除など)を中心に担当しています。残念ながら、穴掘りもあまりやっておりません。。。

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まぁ、それはちょっと置いといて、初めて農業研修に来て穴掘りしたその約半年後、私は就農すると同時に当農園の長男の嫁になったのでした。

「農家の長男と結婚することにした」と周りの人に告白した時、結婚願望ゼロの仕事人間を公言していたためか、ずいぶん驚かれました。

え?農家の嫁は大変だと聞くけど、大丈夫なの?」「その年齢で農業始めてやっていけるの?」と心配もされました。そう言われるのも無理はないです。農家のことも、作物のことも、自然との付き合い方も、何も知らない人間でしたから。

でも、私は本気でした。

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(以下、適当な写真がないので、農園で撮った写真が続きます)

そんな田舎に行くなんて、よっぽど旦那さんになる人に惚れてるんだね~」とも言われましたが、それも少し違いました。愛した人がたまたま農家の人だったわけでも、農家の人と結婚したから仕方なく就農したわけでもなく、最初から就農したかったんです。

私は、これまでの職業人生で繰り返し失敗し、悩み、苦しんできた課題=「仕事のやりがいやプロ意識を追求するあまり、心と身体のバランスを崩してしまう」を克服するためには、180度環境を変えてみるしかない、凝り固まったワーカホリックから卒業するには就農し、田舎暮らしにどっぷり浸かるのが良いかもしれないという考えに行き着いていました。

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日が暮れたらうちに入らざるをえない、残業したくてもできない農業。自然や天候次第だからこそ、無理をしない暮らしが実践できる農家。自分自身についてしまった垢みたいなもの(悪習慣や思考の癖)や、福祉や医療の仕事でどっぷり漬かってきた人々の病理みたいものから少し距離をおいてみて、生き物からエネルギーをもらったり、摂理を教わったりする生き方に賭けてみたかったんです。

なので、夫(である、今の上司)と知り合う前から、農家の仕事が本当に自分に出来そうかどうかを探っていました。今の時代は、未経験でも農業を試みることができるボラバイトWWOOF(ウーフ)などの仕組みがあるので、就農を志す人への門戸は広く開かれています。

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とはいえ、農業って言っても幅が広い。コメ農家もあれば、野菜農家もある。果樹農家もあれば、花農家もある。牧場で働くのだって農業です。家族経営の農家もあれば、株式会社や農業法人の形態をとっているところもあります。

農業やりたいって言う割に、農業のことを全くと言っていいほど分かっていなかった私は、どういう作物を育てたいかとか、どんなスタイルの農家で働きたいかなどを選べなかったんですよね。

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転職するのに具体的に何がしたいかがはっきり言えなかったなんてお恥ずかしい話ですが、自分が唯一こだわったポイントは、「この年齢で就農したいという人間を温かく迎えてくれて、丁寧に指導してもらえるか」です。言い換えれば、「焦りとかプレッシャーとかをあまり感じずに、安心して農業を覚えていけそうな場所かどうか」をさり気なくチェックしたということ。

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そういうわけで、縁あって当農園の農園主と知り合った私は、農業研修などで実際の農作業を体験しつつ、農園のメンバーと交流するうちに、「この人達なら、自然の中で働く喜びを教えてくれそう」「アホな私でも、あきらめずに面倒?見てくれると信じられる!」という気持ちになっていきました。

元々は雇用される形で農業の経験を積ませていただくことを想定していたのですが、そのうち「結婚して家族になるほうが田舎では自然。後半の人生、それも面白いかも」と思うようになり、あっという間に長男の嫁になったわけなんです。

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おかげさまで、「こんなこともできないの? こんなことも知らないの?」と言われたことはただの一度もなく、「経験のないことなのに、よく頑張ってるよね」と農園の皆さんに温かく育てていただいています。

複数の福祉系の現場を渡り歩いて、色々な人の人生や家族の形を見させていただくことが多かった前半の人生。そこで学んだことが、どこの農家で就農するかの判断基準にとても役立ったなと思っています。

「別にびわ農家じゃなくても良かったんじゃないの」と言われれば、まぁそうなのですが、結果的に今、びわの仕事が楽しいと思えているので、自分にとっては正しい選択だったんだと思います。

こういう形での就農&結婚はかなりのレアケースみたいですが、どなたかの参考になれば(ならないだろうな)幸いです。

それではまた懲りずにお会いしましょう。

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福原祐美

千葉県南房総市在住です。
内房線富浦駅から徒歩50分のところにある「福原農園」が仕事場、兼、住まいです。
アラフォーです。

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房州びわを手にとる人に、「びわ農家がどんなことを考えて、どれぐらい手をかけて、びわを育んでいるか」を遠くからでも知っていただけたらなあ、そして福原農園をもっと身近に感じていただけたら嬉しいなあという気持ちでおります。

最近まで20年くらい福祉のお仕事に就いていましたが、突如、自然豊かな南房総で就農することを思い立ちました。

「対人のお仕事から作物を育てるお仕事へ」「都会の喧騒に囲まれた生活からTHE田舎暮らしへ」「独身貴族から農家の長男の嫁に」。。。といういくつもの転身を経て日々感じていることも、好き勝手に書こうと思っています。

色々な方と交流することでより人生は深まると考えておりますので、コメントはお気軽にどうぞ。いつでもお待ちしています。