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アラフォーでの就農がもたらしたもの

こんにちは。びわ農家の福原です。水仙の咲く季節=年の瀬になりました。

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今年お世話になった方々へ水仙の花束を発送し、年内の農作業は概ね終了です。

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皆さま、今年も一年福原農園を応援してくださり、また、お忙しい中このブログに遊びに来てくださって、本当にありがとうございました

さて、福原農園の一年をちょっとだけ振り返ってみたいと思います。今年のびわシーズンは、ブログでも書きました通り、びわ農家にとっては気候条件的にあまり良くない年でした。

2022びわに関する記事=>「びわが美味しくなってる証拠」「正体不明の敵

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来年は豊作になる予測なので、もっと忙しくなりそうです。心して準備して行きたいと思います。

また、今年の9月頃には、燃料高騰対策、森林資源(薪)活用、脱炭素化の取り組みを目的に、南房総市の補助を受け、びわハウスに薪ストーブや断熱用カーテンを設置してもらいました。この冬の活躍が楽しみです。

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(薪をガンガン燃やしてくれる、その名も「スーパーゴロンタ君」)

次に、2022年を個人的に振り返らせていただきます。まず、女性農業者向けの研修に積極的に参加してきたのと、読みたいと思っていた農業に関する書籍を何冊も読破でき、より農家としての見聞が広げられたかなという年でした。

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(Kindleで気楽に読める時代)

さらに、私は農業と福祉のパラレルワーカー(キャリアや収入源を一つに限定しない生き方)を自称しているのですが、事情により福祉のお仕事の場を変えました。

私の住む高齢化の進んだ地域にも、引きこもり、精神疾患、虐待、ヤングケアラーなどの問題を抱え、健やかに成長することが難しくなっているお子さんがたくさんおり、今はそのような児童や家庭を支援していく団体に非常勤で関わっています。

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びわ栽培を通して、作物を育てる面白みや外で身体を動かす心地良さ、毎年びわを楽しみにしてくれているお客さまとの繋がりなどを享受しつつ、自身の学生時代からの学びや経験を地域の社会貢献のために役立てられるという二本立ての働き方は今の自分に合っている気がします。

ところで、最近読んだ本で興味深いくだりがありました。「人間は、社会人になって十数年も経つと、新しく出会う物事をそれまでの人生で培ってきた価値観の枠組みでしか消化したり、判断したりが出来なくなる(それを過ぎると転職で苦労する) 」と言うのです。

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なるほど、年を重ねるほど、「自分のそれまで信じてきたものが否定されるような気持ちになって、新しい物事を受け入れがたくなる」のは知っていましたが、それが30代の後半あたりという意外に早いリミットだとは認識していませんでした。

でも確かに、私は農家の仲間入りをしたのがアラフォーだったからか、「過去の職場や人付き合いで使ってきた言葉や思考回路が、今のコミュニティでは通用しない? これまでは、この処世術で生き抜いて来られたのに? 」と戸惑うことはけっこうあったんですよね。。。

それは、違う人種の住む街に私だけ放り込まれたわけでも、異世界に転生したわけでもなく、私自身が柔軟性を欠いたいわゆるガリガリ頭になりかけていたということなのかもしれないなぁと、気付かされました。

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(いつでも自分が正しい、頑固おやじ)

その一方、また別のネット記事では、こんな話も読みました。「人間40〜50年も生きたら、どうしても驚きや感動、新しい発見が少なくなってくる。前にも体験したことばかりになる。だから、だんだん一年が過ぎるのを速く感じるのだ

こう感じている人は多いだろうなぁと思いつつも、私には、こちらはあまり当てはまらないです。驚きも感動も新しい発見もまだまだあります。それは、自分がアラフォーの年齢で農家に転職して、自分のちっぽけさに打ちのめされながら、それでもこの土地に来た意味、生きていく意味を探してずっともがき続けているからだと思います。

ジタバタもがくって若くいられる秘訣だったりして。そんなことを考えて、2022年は暮れようとしています。2023年も、イチびわ農家のたわごとを暇つぶしに読みに来ていただけたら嬉しいです。それでは良いお年を。

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(お正月に向けて、電動ドリルで竹あかりを制作。道具が何でも揃っている農家!)


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コメント

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大玉ビワの袋

はじめまして、ときどきこのブログにお邪魔して参考にさせて頂いてます。
私はひょんなことから、高齢のために世話をする人がいなくなったビワ畑を3年前から引き継いで世話を始めました。
場所は愛知県の知多半島の先端の南知多町というところで、畑には50本ほど植えられていて、品種は茂木種と田中種が半分づつです。
こちらではそろそろJAからビワ袋の注文書が回ってくる時期ですが、昨年は何も知らずに大玉の田中にも茂木と同じサイズの袋を被せ
たらあっちでもこっちでも袋がビリビリと破れてしまいました。v-11
そこで、今年は大きめのサイズの袋を注文しようと思ってますが、さて、どのサイズがいいのか迷っています。
  16cm×19cm のサイズか?  それとも 17cm×23cmのサイズか?  または1粒掛け用のか?

房総の方では大房という品種の大玉ビワがあるとのことですが、福原さんのところではどのようなサイズの袋を掛けておられるか教えて
頂けるとありがたいです。

もう一つ、昨年はしっかり完熟させ”さあ収穫だ”って思ってたら、カラスがたくさん飛んで来て、まんまと1/3くらい盗み食いされ
ました。
そちらでもやっぱりカラス被害はありますか?
あるとしたら、何か対策をしてらっしゃいますか?

よろしくお願いいたします。v-421


Re: 大玉ビワの袋

にゃん太さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
時々このブログを読んでいただいているとのこと、とても嬉しいです。励みになります。

さて、田中用の袋についてですが、こちらでは15センチ×11センチのものを注文しています。
房州びわは、基本的にどの品種も摘果を厳密に行って大粒に育てますので、一粒掛けです。
当園では、5品種以上のびわを作っていますが、すべて上記の袋を使用しています。
ちなみに、カメムシ対策で二重袋を使っています(ハウスびわのみ、高温になるので別の袋ですが)。
二重袋だと、若干一枚の袋より掛けるのにコツが要りますが、破れるということはほぼありません。

また、カラス対策についてですが、こちらは私達も有効な手立てがなくて困っているところです。
2022年は、商品価値の高い大粒のびわをかなり食べられました。
昨年のブログでも取り上げていますので、よかったら読んでみてください。カラスに振り回されただけという内容ですが。
=>https://biwafukuhara.blog.fc2.com/blog-entry-399.html
ネットで色々調べて役立ちそうな商品を買ってみたり、剥製を作ってもらってぶら下げたりしましたが、一時的な効果しかないのが現状です。農業事務所の普及員にもアドバイスを求めましたが、大群に目をつけられ、場所を覚えられたら為すすべがないそうです。
文字通りの名称の「カラスなぜ逃げる」という商品が気になっていますが、あいにくまだ試していません。

あまりお役に立てる情報がなくて申し訳ないのですが、以上よろしくお願いいたします。
またコメントお待ちしております。

ありがとうございました。

さっそくコメント下さり、ありがとうございました。

袋のこと、カラス対策のこと、参考になりました。
ビワってどちらかって言うと地味系フルーツなので、あんまり具体的な情報(失敗談も含めて)が無いので福原さんのブログ
ってとっても貴重ですね。

南知多でもかつては「ビワ団地」なる畑エリアまであったようなんですが、房総や長崎と違ってブランド力が無いので経営が
難しくて、どんどんビワ畑が減少してます。

実は趣味で桃とブドウも世話してますが、それらに比べたらビワは病気や害虫に強いのでSDGsの時代には合ってるよなぁ、と
勝手に思ってちょっと頑張ってみてます。

今年の目標
1 クイーン長崎の接ぎ木を植える。
2 昨年、5本チャレンジした「涼風」の接ぎ木に味をしめて、今年も何本か接ぎ木にチャレンジ!!
3 カラス対策として、畑の周囲に竹を立て、てっぺんにテグスを張って、盗みに来るとバシっと何かが翼に当たってびっくり
 させる。
4 自走式の草刈り機を何とかゲットする。

はてさて、目論見どおりに行くか、それとも初夢で終わって”あほ~あほ~”とカラスに笑われるか? どうなることやら(笑)

Re: ありがとうございました。

こちらも、房州びわの産地とは言え、びわ山もびわ農家も少しずつ減っています。
びわ栽培が、SDGsに合致しているという見方はしたことがありませんでした。面白い視点ですね。確かに、農薬不使用で作れますもんね。
カラス対策の黒テグスは、張れる場所なら効果はあると思いますが、広いびわ山で作業の邪魔にならない高さに張るのは不可能なので、当園では取り入れていません。
お返事ありがとうございました。また情報交換させてくださいね。