知らなくても全然いいけど知れば意外と面白い、びわ農家の「七つ道具」

びわってこんな風に育ててるんだ
04 /06 2017
こんにちは。福原です。

すっかり暖かくなりましたね。今日の最高気温は20度超えたようです。

びわ山では、アヤメに似た花が咲いていました。お義母さんが、シャガの花だと教えてくれました。

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昨夜はお義父さんが、当農園内のあちらこちらから、春の味覚をたくさん収穫してきてくれたので、てんぷらにしていただきました。

タラの芽、ユキノシタ、つくし、菜花、カラスノエンドウ。。。

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採りたてほやほやの竹の子の瑞々しい食感は、言葉で表現できないほどの素晴らしさです。都会では決して堪能することはできません。お庭に竹林があるから食べられるんだよな~。


さて、唐突に話は始まりますが、今日は、びわの袋かけで私が日常的に使っている七つ道具を、参考までにご紹介したいと思います。

①エプロン

七つ道具の最初がエプロンとは。。。

と思ったかもしれませんが、びわ農家の制服ともいうべきもので、まさに必需品なのです。

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エプロンを買った時に元々ついていた二つのポケットに加え、裾を切り落とした布で、胸元にもうひとつポケットを縫い足しています。

一度木に登ると、びわにかける袋が足りなくなってもいちいち下界?に取りに降りてくるのは面倒なので、たくさん予備の袋を入れて持ち運べるようになっています。

また、上方向を見ながら一枚ずつ袋を取り出すには、できるだけ顔の近くにポケットがあったほうが効率的なわけです。


それにしても、最初にこのエプロンを見た時の衝撃は忘れることができません。

中年男性がエプロンをして木登りをしている絵って、けっこうシュールだと思う。

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②作業用手袋

手袋の説明の前に、移住してすぐ、富浦のコンビニで見つけた風景に、私は度肝を抜かれました。

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作業用手袋だけでこの品数!コンビニとは思えない、充実のラインナップです。売れるから置くんでしょうけど。。。

愛用の手袋です。

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これは、びわに袋をかける際に指に力を入れて針金でしばる動きや、びわの木の幹につかまって、ごつごつした枝を引き寄せたりする動きに対応し、手を怪我から守ります。

それだけでなく、防寒の役割も果たしてくれています。寒い時期の作業で、指先がかじかんでしまわないように。

今頃の時期からは、手の甲の日焼け防止にも。女性の年齢は、手の甲で分かってしまうというから怖いですね。もはや遅しですけど!

さらにさらに、スマホのタッチ画面にも対応していて、手袋をしたまま写真を撮るなどの簡単な操作が可能です。進んでますね。


③作業靴

最近、ホームセンターで購入しました。

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果樹園足袋。言い換えれば、もう木登り専用靴ですね。中国製です。1000円台で購入できます。

これまでは普通のスニーカーで山に行っていたのですが、靴底が硬いと多様なタイプの地面に対応できず、靴が脱げてしまわないか、足首を痛めないか、ひやひやしていました。

この靴底は滑りにくくできており、かつ柔らかい素材なので、木の枝などに乗っかっても滑りにくい。マジックテープで足首も固定してくれる。そして、思いっきり汚せます。この靴に出会って、安心して山に出かけられるようになりました。

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それでも、房総の土は粘土質であるため、靴の裏についた土をとらずに木や脚立に登ってしまうと、ずるっと滑ることがあり、けっこう命とりですので、気を付けています。


④鍵棒

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自分の上のほうにあるびわの枝を、この金属の棒で引っ掛け、自分のほうに引き寄せる道具です。この道具があることによって、手を伸ばしても到底届かない枝の実にも袋をかけられます。

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鍵棒は、両方の先が鍵の形になっているので、棒の上部分で枝を引っ張って、棒の下部分を脚立やはしごに引っ掛けたら、手を離しても枝を完全に固定できます。

今となっては、私にとってもなくてはならない道具なのですが、これも初めて見た時はぎょっとしました。

なんて原始的な道具なの。。。と。だって、伸縮できるとか、先が付け替えられるとかもなく、ただの棒なんですもの。

エプロンした人が長い棒を木の上で操っているなんて、やっぱりシュール。孫悟空の如意棒もびっくりです。

鍵棒は、安房農協で注文できるそうです。


⑤せび

謎に包まれた道具です。

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最初に、”せび”の話が我が家で飛び交っているのを聞いて、私はすぐに「”せび”って何だろう?」とネットでこっそり調べましたが、どこにも説明がない。。。

今どきYahoo知恵袋で調べられないことはない、が持論の私としては、「ネットで出てこないってことは、これは通称?、地域限定の業界用語?」などと疑問は膨らんでいきました。

とにもかくにも”せび”を使ってみると、驚きの使用感

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”せび”は、腰に巻いて使うのですが、要は、④の鍵棒で引っ張った枝を手で引っ張ったままの状態だと両手が空かず、びわの実に袋をかける作業ができないので、この”せび”を使ってびわの実の位置を作業しやすい自分の手元の位置にとどめておくわけです。

さらに、これの凄いところは、ひもを通している板の部分を動かすことによって、身体から枝までの距離を微調整できるのです!ショルダーバックのひもの長さが変えられるのと同じ要領です。

お義母さんいわく、「”せび”は第3の手」。使った人にしか分からないと思うんですが(使わないから!)、これはホントに優れもの。

びわ栽培の歴史の中で、長い間受け継がれてきた知恵のひとつに違いないのですが、どうして”せび”という名前なのかは、うちの人の誰に聞いても分かりませんでした。。。



この5つが、びわ農家の標準装備。農民のソウルと手作り感に溢れています。既製品では、繊細なびわ栽培の仕事はできません。


嫁に来る前は、このようなものを一日身に付けて、仕事をするなんて知らなかったのですが

今はけっこう馴染んでいて、ジャージにエプロン&作業靴というスタイルでスーパーやコンビニなどに臆せず行けてしまうほどです。

人生、何でも慣れだなあということを実感しています。


七つ道具と言っておきながら、5つしかないじゃんというご指摘はごもっともですが

びわ農家の小道具はまだまだたくさんあるので、今回は割愛させていただきます。

またの機会に。

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福原祐美

千葉県南房総市在住です。
内房線富浦駅から徒歩50分のところにある「福原農園」が仕事場、兼、住まいです。
アラフォーです。

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房州びわを手にとる人に、「びわ農家がどんなことを考えて、どれぐらい手をかけて、びわを育んでいるか」を遠くからでも知っていただけたらなあ、そして福原農園をもっと身近に感じていただけたら嬉しいなあという気持ちでおります。

最近まで20年くらい福祉のお仕事に就いていましたが、突如、自然豊かな南房総で就農することを思い立ちました。

「対人のお仕事から作物を育てるお仕事へ」「都会の喧騒に囲まれた生活からTHE田舎暮らしへ」「独身貴族から農家の長男の嫁に」。。。といういくつもの転身を経て日々感じていることも、好き勝手に書こうと思っています。

色々な方と交流することでより人生は深まると考えておりますので、コメントはお気軽にどうぞ。いつでもお待ちしています。