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AIはびわのお仕事をマスターできるか?

びわってこんな風に育ててるんだ
01 /27 2018
 2018房州びわのご注文受付スタート! 福原農園のHPはこちらから


こんにちは。就農一年目の福原です。今は、食用菜花の最盛期。明るいグリーンに春の兆しを感じます。

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よくスーパーでは蕾の状態で売っていますが、地元民は花が咲き始まってようが茎が太くなろうが気にせず、ほろ苦さと食感を楽しんでおります。辛子和えやガーリック炒めがおススメです。

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(※今年の菜花パックのご注文は締め切らせていただきました。また来冬のご注文をお待ちしております)


さて、福原農園では、ハウス内のびわの袋かけを開始しました。

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びわの実に袋をかけると、害虫や傷から守ってあげられるので、美しい実になります。しかも、袋をかける実を厳選し、それ以外の実をあえて落とすことで、木の栄養が集中的に袋の中の実に届けられ、大きな実にすることができます。

言わば、袋かけはびわに対するケアの中で最も重要な作業です。

露地(山に植わっている)のびわは、通常、毎年3月から5月初旬頃まで袋かけを行いますが、今の時期は下の写真の通りだいぶ未熟な感じ。これがホントに実になるんだか、ただ花が枯れた後のカスが付いてるんだか、よく分からないですよね。。。

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それと比べると、ハウスのびわは一日中一定の室温が保たれている分、成長が早いです。現時点ですでに、オレンジ色に熟すびわが想像できるくらいの形になっています。

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このところ、50年ぶりと言われる寒波の影響で、南房総でも雪が降ったくらい冷え込む毎日なのですが

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(南国のシンボル?ソテツにも積雪が)

ありがたいことに、ハウスの中はとても暖かいです。幸せ

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ここで出血大サービス(←懐かしの死語)。「袋かけって一体なんだ? 」という方のために、びわの袋かけの詳細をリポートしちゃいます。

まず、びわの実にかける袋は、こんなサイズです。

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片方の袋の耳が長く伸びていて、この部分だけ袋を固定する用の細い針金が入っています。

早速ですが、企業秘密の?袋かけの手順

①一本の軸に連なっている実の中で、一番大きくてきれいな実を選ぶ

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(うーん、右から2番目が一番大きそうかな?)


②選んだ実以外を折って落とす

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(一つの実だけ残した後の図)

③利き手と反対側の手で胸ポケットから袋を1枚取り出す

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(保育士さんみたいなエプロンのポケットに、大量の袋を入れてある)


④指をこすらせて、袋の口をパカッと開ける

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(スーパーのレジ袋を開ける要領で。。。)


⑤開いた袋をすかさず残した実にかぶせる

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⑥両手で袋の口をくしゅくしゅっと寄せて折りたたむ

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(アコーディオンみたいなイメージ)


⑦袋の耳部分を、ゆるまないようぐるっと一周させる

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(前を通って。。。)

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(後ろも通って。。。)


⑧針金をぎゅっと押さえたら、出来上がり

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どうですか? これだけ? えぇ、これだけです。あとは、一日中ひたすらこれの繰り返し。「けっこう簡単じゃん 」と思われましたかね。私も楽勝と思っていたのですが、これがやってみるとなかなか上手くいかないんですよ。。。

例えば、くしゅくしゅっとするところが雑だと、針金を巻いた時に袋の口がはみ出てしまうんです。これでは、害虫が袋の中に侵入する余地を残してしまったことになります。

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(よく見ると、ちゃんと縛れてない)

また、無理な力を実に加えてしまうと、実の軸が折れてしまうこともあります。残念ながら、折れてしまったものは元には戻らないので、これまでの苦労が消えてしまう形となります。

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(ごめんなさい。謝るしかない瞬間)

さらに、袋をかぶせる時に不用意に手が実に触れてしまうと、表面の細かなうぶ毛がはげてしまい、商品価値が半減してしまうというリスクもあります。

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(テカテカになってしまった)

もっともったいないのは、残す実を選ぶ際に、虫が食っていたり、傷がついていたりするものを見逃して袋をかけてしまうことです。旬の時期に袋から出してみてびっくり。商品にならず、もったいないことになります。

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(まぁ、よくお食べになって。。。)

それから、もうひとつ。私が昨年やらかしてしまったミスなのですが。びわの実が、袋の端っこに入ってしまうと実が大きくなる際に負荷がかかって、袋が破裂してしまうことがあるのです。

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破裂して飛び出たところを、カラスにでもつつかれたら大変。よって、びわの実が袋に入った時の居心地を考慮してやる必要があるんです。

袋の形が下の写真のようにいびつ過ぎるのも、びわが袋を踏ん張って中から押すことになるのでダメ。

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そんなこんなで、袋かけは注意を払うポイントが意外に多く、瞬時の判断や手先の微調整の積み重ねがあって、ようやくひとつの実に袋がかけられるわけです。

上記の①~⑧の工程を、ベテランスびわ農家なら数秒で完了します。新米びわ農家の私は、失敗しちゃいかんともたもたやっており、時にはやり直したりしているので時間がかかるくせに、正確性も高くないという。。。まだまだ修行が必要だと感じています。

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ところで昨今、IT農業やスマート農業に注目が集まっており、先進技術を積極的に取り入れた栽培管理システムを導入することで生産コストの削減や人的負担の軽減が期待できる!そうなのですが。。。

さらに、草刈りや収穫をしてくれる農作業ロボットもすでに開発済みだし、匠の技(コツや勘)のようなものもデータ化できる時代になりつつあると聞きますが。。。

びわの袋かけのような繊細な手先の技術は、やっぱり修行を積んだ人間にしかできないんでないの? いや、できるはずがない!! いくら学習能力や判断力を持つAI(人工知能)の活用が進んだとしても、です。

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(ものすごーく袋がかけづらい位置にある実にだって、達人はあっという間にかける)

ちょっと前に、「今の日本の労働者の半分が、15年後には機械に仕事を奪われる 」という試算が発表されてニュースで話題になりました(農業従事者についてはっきり触れられていなかったのは、農業の中身には幅があるからかな?)。

仮に、農家のお仕事がAIやロボットによってもっと省力化されたら、人手不足や高齢化で悩む農業界に光がさすでしょうし、ビジネスとしての農業に携わりたいという若者は逆に増えるかもしれません。間違いなく良いことだと思うのですが

ロボットスーツ
(重いもの持っても疲れない、ロボットスーツはもう世に出ている)

いや、だけどさ、山の斜面で、あるいは木の上で、ここまで細かい手作業がコンピューターで自動制御できるようになるはずないでしょ 」と私がこだわりたくなってしまうのは、今まさに習得しようとしているびわの匠の技?がいずれ人間じゃなくてもできるようになるなんて考えたくないのかも。

これからの果樹栽培がどんな進化を遂げるのか分かりませんけど、そもそも、AIに乗っ取られたくないとか言うのは、一人前になってからにせーよという感じですよね。。。そんなわけで、引き続き袋かけ頑張ります。

ちなみに、読売新聞の記事によると、AI(人工知能)が幅広く実用化されても生き残っていくのは、クリエイティビティ、経営管理、おもてなし(ホスピタリティ)の3要素に関連が深い職種だそう。皆さんのお仕事はいかがでしょうか?

それではまた。

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福原 祐美

千葉県南房総市在住です。
内房線富浦駅から徒歩50分のところにある「福原農園」が仕事場、兼、住まいです。
アラフォーです。

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房州びわを手にとる人に、「びわ農家がどんなことを考えて、どれぐらい手をかけてびわを育てているか」を遠くからでも知っていただけたらなあ、そして福原農園をもっと身近に感じていただけたら嬉しいなあという気持ちでおります。

また、20年くらい福祉のお仕事に就いていましたが、突如、自然豊かな南房総で就農することを思い立ち、色々あって嫁いでしまいました。

「対人のお仕事から作物を育てるお仕事へ」「都会の喧騒に囲まれた生活からTHE田舎暮らしへ」「独身貴族から農家の長男の嫁に」。。。といういくつもの転身を経て日々感じていることも、好き勝手に書こうと思っています。

色々な方と交流することでより人生は深まると考えておりますので、コメントはお気軽にどうぞ。いつでもお待ちしています。