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台風15号~大規模通信障害〜

こんにちは。福原です。家の近くのコスモスロード。気付いたら満開になっている。。。

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何かに気持ちが集中しちゃってると、季節の移り変わりに鈍感になってしまうものです。こんなに綺麗なのに。

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今日も福原農園では、台風15号の犠牲になったびわの木の手当て

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(木の負担を軽減してやるために、枝を伐採しまくる)

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(上から潰されたびわの枝を泣く泣く切り落とす瞬間)

および、山道に横たわるスギの倒木の撤去などを少しずつ進めています。

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(とりあえず、またがって枝払い)

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(どこから切れば危険が少ないか??)

このところ、大木を切り落とすことが続き、いよいよ農家仕様でない私の上半身はバッキバキにこわばってしまいました。そんなわけで、身体を休めつつブログを書いています。

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さて、ここからは台風15号の振り返り。体験したことが風化しそうで怖いので、ここに書き留めておこうかなと。わずかでも、どなたかの参考になれば嬉しいです。

9月9日の台風接近時、深夜から停電が始まりました。最初は使えたスマホもすぐにつながらなくなりました。停電によって、電波を発信してくれる各携帯電話会社の基地局が機能しなくなり、通信障害が生じたためです。

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(このあと、何日も圏外地獄になるとは)

暴風雨の音でとても寝ていられない状況です。スマホでSNSやウェザーニュースでもチェックできれば、不安はかなり軽減できたはずですが、暗闇でじっとしているだけでした。

それでも、ベッドの上で横になれただけマシです。屋根がはがれて雨が吹き込んだり、布団に瓦が落ちてきたりした人もいたのですから。人の命を預かる医療機関や入所施設ではどれだけ混乱したことか想像もできません。

私はふと、こんな時のために寝室の隅にラジオを置いていたことを思い出し、取り出しました。

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非常時用ラジオ。のちの停電生活では重要な情報源になりますが、この段階ではまだ、「強風があとどれくらい続くのか 」や「すでに各地の被害はどの程度出ているか 」などの、こちらが知りたい情報は全く流れていませんでした。


朝になって、家族や近所の人とそれぞれが目で見た情報、どこかで聞いてきた情報を交換しました。「○○さんちの△△が吹き飛んでいた 」「□□が倒れて通れない 」「どこそこはもっと酷いよ

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電話もメールも使えないので、今は半径100メートルくらいのことしか分かりません。ひとしきり話し終わると、家周りの散乱物を拾い始める人々。

こういう時でも、日本人は自分の家の物が公道や人様の敷地で迷惑をかけていないかを気にするのだなぁと妙に感心。もっとも、落ちている瓦が金属片が壁材が、どこから飛んできたものなのかなんて判別不能なのですけど。

当たり前ですが、停電しているとTVは観られません。ネットニュースも見られません。

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(アンテナも曲がった)

私は、「ニュースでは南房総市の被害はどのように伝えられているのだろう 」「このあたりの地域の被害が特に酷いに違いない 」などの考えが頭の中をぐるぐるとしていました。

何度も作業手袋を外して、ポケットから出したスマホを覗きこんでは、やっぱりまだ「圏外」になっていることを確認。それでもまた見てしまう。。。を繰り返しつつ、家周りの片付けを進めました。

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(割れた蛍光灯の破片)

夕方になって、私はどうしても電話をかけたくなりました。被災してまだ一日目とはいえ、身内や親しい友人には、農園のみんなが無事だと言うことを伝えておくべきだと思ったのです。

片付けを放り出し、スマホの電波が入る場所を探しに車で出かけました。

それにしても、一夜にして慣れ親しんだ風景が全く別の物になっています。外に出て改めて、今回の台風被害の深刻さを思い知ったわけです。

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近所の人から「停電で店はどこもやっていない 」と聞かされてはいましたが、実際に自分の目で沈んだ街を見るショック。ゴーストタウンという言葉がちらつきます。

結局、数十分車を走らせましたが、お隣の館山市街に入っても一向にスマホは通話できる状態になりませんでした。この時点で、他社の携帯・スマホでも、電波が安定して入る場所は周辺では一切なかったようです。

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(コンビニが閉まっている光景)

そんなら、公衆電話はどうだ? 」公衆電話は、災害時でも優先的に繋がるようになっていると聞いた覚えがあります。公衆電話は、通信規制(110番や119番などの緊急を要する電話がつながらないことを避けるための措置)の対象外なのです。

しかしながら、今の時代、田舎でも公衆電話は少なくなっています。えーと、公衆電話どこにあったっけな。。。ネットで「近くの公衆電話」って調べようか、っておい!! 。。。また車で走りながら探すことに。

ボックスごと倒壊している公衆電話もあり、昨夜の風の恐怖を再認識しつつ

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(in 道の駅)

市役所前で、ようやく電話ボックスを見つけました。誰も並んでいません。停電時はテレカは使えないので、硬貨を投入します。ディスプレイ画面が暗くなっていても、電話はかけられるそうです。NTT基地局から電話回線を通じて電力が供給される仕組みだとか。

まず、自分の実家にかけたところ、母から驚くべき反応が返ってきました。「どうしたの。何かあったの?

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無事でよかった 」という言葉を期待していた私は、全く心配されていなかったことに拍子抜け。停電しているところがあるくらいはニュースで聞いたけれど、詳しい被害の状況はTVでは報道されていないと言うのです。

そのあとかけた相手も皆似たような反応でした。ま、それならそれでいい。自分と連絡取れずにやきもきしている人が特にいなそうなことが分かり、やや複雑な安堵感

災害用伝言ダイヤルも試しに利用してみようかなとちらっと思いましたが、今の状況では録音しても誰もメッセージを再生してくれなさそうです(やや被害的)。

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(意外と簡単なのに、あまり浸透していない)

通話前に入れた硬貨は、通話終了後に戻ってきました。こんなにしゃべっても無料。。。後で知りましたが、ありがたいことに大規模停電時は公衆電話は無料で使えるようになっているのです。

停電2日目。「公衆電話の存在を見直すべきだよね 」などと少々得意げだった私は、すぐにがっくりさせられることに。

新たに連絡を取りたい人が出てきたので、再度昨日と同じ公衆電話に行ってみたところ、どういうわけか使えなくなっていたのです!! 昨日は使えたのに今日は使えない。この日は、他の公衆電話を回ってみてもダメでした。

これは、停電が長引いたために、基地局で停電時に備えて設置している予備バッテリーも底を尽きたからだと考えられます。救世主のような公衆電話にも、リミットがあったのです。頼みの綱の公衆電話が使えなくなり、当然スマホも復活する気配はなく、私は陸の孤島にいる気分がますます募りました。

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(移動電源車はもっと大事な場所に行っているはず)

停電3日目。南房総市では、防災に関する情報を住民に周知する目的で整備されている防災行政無線も放送されなくなってしまいます。これも、やはり中継局の発電装置の燃料切れだったとか。

防災無線が聞こえると、「どこかで役所の人も頑張ってくれているんだ 」と励まされたものですが、それさえなくなってしまい、なんとなく事態の悪化をうかがわせる出来事。

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(頼りなげに傾く拡声スピーカー)

情報収集は、もっぱらラジオとなりました。食事の際には、千葉県に関する情報は何かないか、とNHKラジオに必死に耳を傾けます。

しかし、被災地からするとラジオは必ずしも元気をくれるアイテムとは言えないことも。聞き取りづらさもさることながら、楽し気な話題や異国のニュースを聞いて、世の中が被災地を取り残して進んでいることを実感してしまうことも多いからです。

今でも記憶に鮮明に残っているのですが、台風通過1日目の夜、ラジオを聞いていたところ、「館山市 倒壊もしくは損傷した電柱 4本。。。 」と流れていたのです。思わず、家族と顔を見合わせます。4本!? 我が家から見える範囲内でも軽く4本は越えているのに、何言ってんだよ。。。(実際、千葉県全体で2000本という推計が示されたのは、何日も後のこと)

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でも、これが今回の台風15号の被害状況把握の遅れそのものでした。東京のすぐ隣の県で見過ごされている自然災害。なぜなのか。建物被害が目立ち、死傷者が少ないから軽く見てるのか。いや、そもそも、人間の安否確認だってまだまともに出来ていないはず。

これが大規模通信障害というものなんだ。。。

広域かつ長期の通信障害における心細さを痛感していた最中、一筋の光となったのは、安房地域に刊行されている地元紙「房日新聞 」でした。

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私は新聞をとっていませんが、隣に住む義両親が購読していたおかげで読むことができました。停電でPCも印刷機も使えない中、この新聞は台風襲来の翌日から配達されたのです(ちなみに台風当日はもともと休刊日)。

自らも被災者である記者が執念で書き上げた記事により、私はようやく自分の身に何が起きているか客観的な言葉で整理できたように思います。全国紙を読んでもあまり伝わってこない危機意識とシンパシーが、その紙面からは強く発せられていました。

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停電4日目。通信手段がない状況にどこか慣れてきた私。世の中から遮断されているというおいてけぼり感も停電開始当初よりむしろ薄れてきました。

この頃には、自宅から少し車を走らせればスマホの電波が入る場所が出てきていたし、無料公衆Wi-Fi(ファイブゼロジャパン)が開放されたニュースも耳にしたけれど、不思議なことに無理して外部と連絡を取ろうという気持ちにならなくなっていました。

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いつ通信障害が解消されるのか、隣町はもう電気が復旧しているんじゃないか、などと気をもんで過ごすより、やれることを淡々とやろうと考えるのは、心が疲れないための自然な心理なのかもしれません。

時間ができた分、家族と普段しないような話がゆっくりできたり、ご近所さんとの距離が縮まって仲良しになれたり。この状況をプラスに捉え始めていました。

もちろん、この気持ちの変化は、我が家が生命の危険生活に支障が出ることがなかったからであって、一刻も早く助けが必要な被災者の場合はそんな悠長に構えることはできなかっただろうし、停電が長期に及んだ被災者は何日経とうがこのようなポジティブ思考にはなりえなかったでしょう。

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(発電機があれば、色々違ったのだが。。。)

私のスマホに関して言えば、停電5日目から徐々に電波が安定していきました。心配してくださった、たくさんの方から届いていたメールに感謝の気持ちを込めて返信しました。

最後になりますが、今回、農園を気にかけ、ブログの更新を毎日待っていてくれた人、ブログを更新してからは、ブログで農園の現状を知って安心したと言ってくれた人が意外なくらい多かったです。ブログが、災害伝言板のような役割を果たしてくれたのです。

親戚、知人、お客様一人ひとりにいちいち状況報告はできなくても、こちらが発信したい情報を好きな時に載せ、アクセスしたい人がいつでもアクセスできる、返信の必要がないから発信者も読者も負担にならない という良さがブログにはあるように思います。

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通信手段が絶たれると、困ることがいっぱい起きる現代社会。「普段からスマホ、PC、ネットに依存してるからこうなる 」とか、「行政やマスコミの情報収集が後手に回りすぎ 」とか、ここで叫ぶつもりはありません。前例にない台風だったので。

でも、自分が、思いがけず不自由な環境に置かれても柔軟に対応できる人間でありたい、そのために何が欠けているか、それを考えるきっかけをもらった気がしています。

まとまりませんが、これで失礼いたします。また台風15号について書きますね。

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(『週刊女性』に掲載されたのも、台風15号から22日後のこと。。。)


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